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(2) システム設計指針

防波堤等に小型波力発電システムを設置するとき、海象条件、負荷条件、防波堤や灯塔の形状、管制器室の大きさなど設計にあたって考慮しなれればならない事項が数多くある。

ここでは今年度実験した水槽実験結果をもとに、海象条件、負荷条件により空気室大きさや発電装置台数を選択する方法を示し、次に空気室の取付、安全装置の選択について考える。

? 空気室大きさ、発電装置台数の選定

(a) 負荷条件

負荷条件(電球定格、灯質等)により常用消費電量を求める。例によって示す。

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(b) 海象条件の入力

小型波力発電システム設計のためには、(ア)波高周期別出現率表、波向き、(イ)設計波高、対応周期、(ウ)水深、天端高、干満差、(エ)潮流 の各データが必要である。

(ア) 波高周期別出現率表、波向き

まず小型波力発電システム設置予定場所近辺の波データを収集する。

昨年度までの調査研究により、小型波力発電システムの発電出力を考える場合は平均波高が最低となる季節の波高周期別出現率表を選べばよい。なお、半島・岬などの障害物による回折や海底地形による砕波変形がある場所は波の変形を計算する必要がある。

選んだ波高周期別出現率表より周期3.0〜9.0秒で、かつ波高が0.25m〜1.50m迄の波高階級毎の出現率を求める。また周期3.0〜9.0秒、波高0.25m〜1.50mの範囲における分布中心周期を求める。

その他、小型波力発電システムを設置する防波堤の90゚ の方向と波向きのなす角度βを求めておく。

(イ) 設計波高、対応周期

空気室に作用する力を計算し、空気室取付ボルトを選定するさい必要となる。また安全装置選定のためにも必要である。

 

 

 

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