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水部長0.18m、ノズル開口比ε=1/130、波高H=0.04m、周期 T=3.17秒 のグラフの外部水位を解析する。FFT変換した結果を図-4.38に示す。横軸は高調波の次数であり、縦軸はcosないしsinの係数である。上側はcosの項、下側はsinの項である。50次迄の項を拡大したものが図-4.39である。図-4.39に示す通り、第8次高調波の成分がずば抜けて大きい。 512個のデータの間隔は25.6秒であり、第8高調波の周期は25.6/8=3.2(秒)である。すなわち、このグラフの周期3.17秒に極めて近い(誤差は1%である)。

次に図-4.28 の平潟港空気室モデル 外部水位と内部水位(不規則波)没水部長0.18m、ノズル開口比ε=1/130、波高H=0.04m、周期 T=3.17秒 のグラフの外部水位を解析する。スペクトルは図-4.40に示す通りである。図-4.40では横軸に周波数f(Hz)を、縦軸にスペクトル密度S(mm2・s)をとっている。

海上保安試験研究センターの不規則波作成スペクトルはブレッドシュナイダー=光易型のスペクトルであり、次式で表される。

  S(f)=0.257・H1/32・T1/3(T1/3・f)-5・exp{-1.03・(T1/3・f)-4

H1/3=62(mm)、T1/3=3.17(s)を代入してプロットしたものが図-4.40の実線で示したグラフである。今回不規則波をFFTを用いて解析し、得られたcosの項とsinの項から 1/2×an2 (cosの項の係数をAn、sinの項の係数をBnとするとき、an2=An2+Bn2)を計算し、次いでスペクトル密度の定義式

024-1.gif

からスペクトル密度を計算したものが図の○で示したものである。図-4.40の実線で囲まれた面積は、理論値が240であり、実測値は194である。両者にそれほど差はないと言える。 よって周期が長い場合、波長に比較して水深は相対的に浅くなるが、スペクトルとしては特に問題ないと言える。なお図-4.41にFFT変換で得られた結果に逆FFT変換を施して得られたグラフを示す。最初の88個のデータは棄却しているため、図-4.28の4.4秒からのグラフと同一であることが分かる。

 

 

 

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