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歩長と歩幅、およびそれぞれの身長比の経年的変化は図6のようであった。幼児の疾走中の歩長は、年齢とともに著しく増大し、この歩長の増大が疾走速度の経年的増大の要因である8,9,11,13)。本研究の結果もこれまでの報告とほぼ同様に、歩長および歩長/身長は年齢とともに顕著に増大し、各年齢間の増大は統計的に有意(p<0.05)であった。

一方、疾走中の歩幅は、1歳児の平均8.14?pから5歳児の平均5.37cmまで年齢とともに減少したが、各年齢における標準偏差は大きく年齢間に有意な差はみられなかった。歩幅/身長も同様に経年的に減少した。

このことは、幼児期には個人差はあるものの、年齢とともに歩幅の絶対値が減少し、歩幅の相対値も減少することを示している。疾走中の歩幅に関する資料は、7歳から17歳の児童生徒について調べた野口ら10)の報告以外には見あたらないし、幼児の疾走中の歩幅に関する報告はない。したがって、本研究の結集は貴重な資料とみられる。

図7は、本研究で得られた結果に野口らの結果を加えて示したものである。野口らは、短距離走における足跡の間隔(歩幅:両爪先の間の左右方向の隔たりとしてとらえている)は、年齢が進む

 

 

 

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