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1989.

14) McLellan, T. M. and K. S. Cheung.:A comparative evaluation of the individual anaerobic threshold and the critical power. Med. Sci. Sports Exerc. 24:534-550, 1992.

15) Monod, H. and J. Scherrer.:The work capacity of the synergic muscular group. Ergonomics 8:329-338, 1965.

16) Moritani, T. et al.:Critical power as a measure of the physical work capacity and anaerobic threshold. Ergonomics. 24:339-350, 1981.

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18) Pepper, M. L. et al.:The accuracy of the critical velocity test for pedicting time to exhaustion during treadmill running. Int. J. Sports. Med. 13:121-124,1992.

19) Sid-Ali. B. et al.:Lactate steady state velocity and distance-exhaustion time relationship in running. Int. J. Sports Med. 13:121-124, 1992.

20) 田中宏暁たち:中学生長距離選手のクラブ活動練習中の運動強度と身体活動量.体育科学24:35-40, 1996.

21) 田中宏暁たち:中学生女子中長距離選手の生理的負担度.体育科学25:45-51, 1997.

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3年間のまとめ

田中宏晩

 

課外活動の運動クラブに所属する中学生はよい成績を上げたいとの思いとそれに応えたい指導者の思いが相まって心身の発達を阻害するような過酷な運動刺激を与えかねない。特に陸上部の長距離は最近中学生の全国駅伝大会が開催され、その傾向に益々拍車がかかったと想定されるので、できるだけ正確に実際の中学生中長距離選手の身体活動量と運動強度を調べることと、簡易な生理的負担度の判定法を開発することを目的とした。

最初の2年間は中学生男女中長距離選手の1週間の練習中の心拍反応あるいはランニング速度を計測し、あらかじめグラウンド走から求めた血中乳酸濃度と心拍数あるいはランニング速度との関係式を用いて、活動量と運動強度を調べた。調査対象のクラブ員は大学生に比べてトータルの練習時間は短いものの、心身ともに強いストレスを生じる運動強度と考えられる血中乳酸濃度が4mmol/lを越すトレーニング時間が大学生よりも多いことがわかった。

トレーニング強度は本来個々人の能力に応じて生理的に同じ負荷がかかるように決定すべきであるが、その方法が繁雑なためにほとんど主観的に決定されている。そのことがこのように激しいトレーニングを強いる理由と考え、3年目は走記録から生理的強度を推測する方法を検討した。Monodたちのクリティカルパワー分析法を走運動に応用し、1000mと2000mのタイムトライアルの結果から求められるクリティカル速度を基準にする方法の妥当性を検討した。このようにして求められたクリティカル速度は最大乳酸定常の成立するランニング速度や血中乳酸濃度が4mmol/lに対応するランニング速度に近似することがわかった。この方法は1000mと2000mの距離差である1000mをタイム差で除するだけである。現場でもストップウオッチさえあれば簡単に計測できるので個々人の運動の質を評価することと至適な運動強度を設定する極めて有効な方法になるものと思われる。

 

 

 

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