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意に高かった。

図3にはCV, MaxLass, OBLAの相互の関連性を示した。いずれのパラメーター間にも高い相関関係が認められたが、CVとMaxLassが最も高い相関係数であった(r=0.954)。

図4には、個人毎のCVに対するMaxLassとLT速度の誤差を示した。この結果からCVの5%低値がおよそMaxLass速度に相当することがわかる。しかし、LT速度との関係には個人差が著しく、一定の関係が認められなかった。

 

考察

本研究では実用性を考えて、わずか1000mと2000mの2回のタイムトライアルを基にCVを求める最も簡易な方法を採用した。その結果、CVはMaxLassよりもやや速かったものの極めて高い相関関係が認められた。

CP分析法は総仕事量とexhaustion時間に直線関係が成り立つことに基づいているので、理論的には最低2テストで推定出来ることになるが、さらに多くのテスト結果から導き出されたほうが精度が増すはずである。しかし全力走を何度も繰り返すことは被検者の負担が多く、測定が簡単と言えども実用的ではない。Houshたちは4種の異なる強度でのテスト結果から2,3,4テストのあらゆる組み合わせについてCPを推定し比較したところ、2テストでもexhaustion時間が5分以上異なれば4テストで求めたCPと非常に高い相関関係(r>0.98)が得られるとしている5)

今回1000mと2000mを選んだがHoushたちの結果に基づけば2テスト法で行う場合もう少し両テスト間の距離を開けた方が良いことになる。このテストで最も重要なことは全力を出し切ることである。今回中学生を対象としたので走り慣れないあまり距離の長いテストでは全力を発揮出来ない可能性もあると考え、日頃よく走っている両距離を選択した。その結果MaxLassとr=0.954という非常に高い相関係数が得られ、これらの距離で妥当な分析ができることを示唆している。

理論上OBLAはMaxLassの推定値である2)。多段階漸増運動負荷試験中に血中乳酸濃度が4mmol/lに相当する速度をOBLAとしているが、これが中学生にも適用出来るか否か結論が出ていない。今回の測定結果では、4mmol/lに相当する速度はMaxLassを過大評価しており、平均値でみると3mmol/lに相当する速度がMaxLassにほぼ一致していた。しかしいずれにしてもそれらとMaxLassの相関係数は非観血的に簡易に求められるCVとMaxLassとの相関係数に近似していた。

 

 

 

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