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かったのですが、素手で触らないということが大切だと思います。

 

──素手で触らなければ普通に洗浄でいいということでしょうか。

柴田 やり方が少し違うと思いますので、感染だからとか、感染じゃないからという区別ではなくて、血液がついているかどうかということで区別されたほうが安全だと思います。

古川 RPRとTPHAの両方が陽性の患者さんをどうケアするかということですね。その患者さんは治療歴があるのかどうか、きちんと治療していればTPHAは陽性のまま残りますが、RPRはかなり低い値になっているはずです。ですから治療後でRPR値も非常に低いのであれば、感染力はあまり問題にならないと思われます。もし無治療ということであれば、それは非常に問題があるケースであり、とくにRPR値が高いのであれば、必ず治療しなければいけません。それは主治医が必ず把握して、対処すべきです。もし感染のおそれが多少でもある場合、血液、体液の扱いを注意して、HBと同じように対応すればいいと思います。

柴田 きょう、ここでお聞きになったことがいままでなさっていたことと違っていて混乱されてしまったりということがあるかと思います。これで持ち帰られて、いままでの方法を主張されているドクターなり上司の方と衝突されませんように、それだけお願いしたいと思います。ただ皆さんが状況を見て、変化させていっていただければうれしく思います。

 

本誌は1997年7月26日に行った(財)ライフ・プランニング・センター主催のセミナー「ナースのための感染症学」をまとめたものです。

 

 

 

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