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ギルス肺炎を起こすといったことです。もっと身近な耐性菌による環境の汚染を問題にしたほうがいいのではないか。床や壁ではないのではないかということです。汚染した環境表面から患者や医療従事者の手を汚染する,そちらのほうが大切なように考えられます。

米国でバンコマイシン耐性の腸球菌(VRE:Vancomycin Resistant Enterococcus)が出ました。これでどのように環境の問題が変わったかというと,やはりベッド棚とか腰かけ便器とかカート,それからドアノブ,蛇口等の清掃をきちんとしようということです。消毒しなさいとはCDCもガイドラインではいっておりません。清掃の方針や手順を確認するために,感染管理の監督で,清掃前と後にVREのモニターをしなさいといっています。モニターをする意味は,環境から医療従事者の手を汚染して患者さんに運んでいくということになるので,こういったことがいわれています。ここでも消毒をしなさいということはありません。ハウスキーピングの重要性は問われていますが,決して消毒をするということではないようです。4級アンモニウム入りの洗剤を使用して清掃する。目標はきれいに清掃するということに置いているようです。それからカーペットが感染のもとになるという方があるのですが,フィルターのついた掃除機で定期的に清掃すればよいし,汚れがあるのであれば洗いなさいといっています。ブラインドとかカーテンも同じように定期的に清掃するようにいっています。噴霧という行為はすべきでないといわれています。

聖路加国際病院の場合ですが,ICUには普通の服装で入っています。私どもではICUだからといって着替えてガウンを着てということはありません。通常のナースのユニフォームで勤務ができるところです。勤務している者は毎日ユニフォームを換えます。

空調に関しては,私どもは各病棟に3室の陰圧室を設けています。

 

 

 

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