など。原虫では膣トリコモナス,寄生虫ではヒゼンダニ等があげられます。
世界的に見て性感染症は増加の傾向にあります。世界で一番多いのはトリコモナスです。しかしトリコモナスはすべてが性行為で感染するわけではなくて,なかには浴場で幼児が感染した例もあるようです。
クラミジアもたいへん多いです。それから陰部パピローマウイルス,淋菌,陰部ヘルペス,梅毒と続きます(表5)。日本での統計ではクラミジア感染が最近増加してきている印象があります。淋病もいったん減少したと思われたのが,最近また少し増えてきたようです(図1)。
次に主要な性感染症について具体的に説明していきたいと思います。
1.梅毒
日本の最近の梅毒患者の届け出数は年間約1,000人くらいといわれていますが,実際は届けられていない例が多いと思いますから,実数としてはもっと多いと思います。75%の人は症状のない潜伏梅毒です。原因は梅毒トリポネーマ,これはスピロヘータの一種で感染者との性交で約