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効力がいちばん弱い群は非オピオイドです。非オピオイドとは痛みの局所に作用して痛みを緩和する薬です。代表薬はアスピリンです。セデス,アセトアミノフェン,ポンタール,ボルタレン,インドメタシンはこの群の薬です。効力のいちばん弱い群ですから,軽い痛みを対象に用いる薬です。強い痛みを訴えているのに,非オピオイドのみを使っているのは,痛みは新幹線なのに対抗する薬は自転車のような状態で,とても満足な効果はあがりません。十分に効くはずがないのです。

効力がもっとも強い薬は強オピオイドで,中間は弱オピオイドです。オピオイドとは,脳や脊髄などの神経組織にモルヒネ用物質が結合する部位(オピオイド受容体)に作用して痛みを緩和する薬の総称です。また麻薬とは依存性が強いために法律で麻薬に指定されている薬のことを指します。麻薬には中枢作用の薬と末梢作用の薬とがあります。オピオイドには麻薬に指定されているものと指定されていないものとがあります。

そのため,オピオイドの中には麻薬・向精神薬取締法による規制が厳しい薬とそれほど厳しくない薬とがあるわけです。病院内での保管や扱い方などに違いがあります。病院で行うべき規制は法律で決められていますが,法律による規制は医療に使う薬を使いにくくしないように配慮しています。しかし病院によっては規制が強くて麻薬を処方するのが面倒だという声を聞きます。その多くは,間違いがあっては困るという心配から,必要以上に厳しい院内自主規制をしているためではないかと思います。

麻薬処方箋には処方者が麻薬施用者の免許の番号,サイン,押印が必要と思っている人が多いのではないでしょうか。いまの法律では,院内処方箋には,施用者のサインがあれば押印は要らないのです。氏名にゴム印を使うような場合には押印が必要です。国が要求している以上に厳

 

 

 

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