あがらないのです。身体面へのアプローチはむずかしいことではないのですが,一つひとつのアプローチをどう組み合わせて,患者さんに応用していくかを,プロとして考えながら実施していくべきです。それがプロとしてのアート(わざ)です。身体の状況が楽になると,心の悩みは解決しきれないかもしれませんが,必ず小さくなります。身体面へのアプローチを充実させて,心にもアプローチするとき,患者の心へのケアの効果があがりやすくなります。
医療チーム構成員の役割
それを行っていくにはチームワークが必要です。看護チーム内のチームワークだけでなく,看護婦と共に働く他の医療従事者とのチームワークが必要です。医師とのチームワークも重要ですし,患者さんとのチームワークも重要です。
病院には,医師,看護婦,薬剤師,臨床検査技師,放射線技師などがいます。理学療法士やソーシャルワーカーはすべての病院にいるわけではありませんが,ソーシャルワーカーがいないと,うまくいかない言い訳に使われることがあります。そんなことを言わずに,医師と看護婦ががっちりとしたチームワークを組んだだけでもかなりのことができるでしょう。
チームワークとは,それぞれ役割をもった人たちが集まって共通の目的と共通の理解をもち,協力して事に当たることですが,それぞれに役割があり,役割には必ず重複する部分があります。この重複する部分には両側から手を差し延べます。それがないと,職種間に溝ができてしまうことになります。これは看護婦のすることではないとか,これは医師