第1分科会
保育者の保健学的能力の向上をめざす
司会者 佐田 義輝(東京都・まごころ会保育園長)
提案者 板倉 増子(中野区保育課看護婦)
助言者 大木師薩生(日本保育園保健協議会常任理事)
提案要旨
保育者の保健学的能力の向上をめざす
板倉 増子(中野区保育課看護婦)
1. 保育所機能を活かした健康管理
わが国は、今、厳しい経済状況のなかで急激な少子・高齢社会の進行に伴う社会環境の変化にさらされている。こうした状況のもとで、21世紀を担う子どもたちが地域のなかで心身共に健康に育つよう、保育所の機能を活かした取り組みがより一層求められている。
2. 職員の意識改革をめざして
乳幼児の健康管理にあたり、保育者の持てる力を十分に発揮し得るために、保育園看護婦として、保育課や保育園での経験からいくつかの問題を提起したい。
第1は、保育所が果たすべき役割について、職員の意識が希薄なことである。子育て相談や園行事等の日々の事業をとおして求められていることをキャッチすること。園のなかでは、アレルギー児や気になる子どもの増加、育児環境に問題のある家庭や虐待ケースなども目立っている。こうした課題に対応するため、保育所の保健業務は、これまで以上に幅広い知識と技術が求められている。地域の子育て支援の中核である保育所の職員一人ひとりの意識改革が必要ではないだろうか。
第2に、健康管理体制が組織化されているだろうか。効果的な保健活動を実践するためには、健康管理者を中心に、乳幼児の個人差を考慮した年間・月間保健計画を立てて、保育行事と調整しながら効率的に進めていく必要があると考える。
集団保育ではそれぞれの専門性を生かした保育活動と保健活動に業務分担をしているが、保育と保健は重なり合う部分が多い。特に、0歳児は保育=保健と言われるほど乳児の健康管理が保育の殆どを占めている。保育者と保健職のそれぞれの視点から子どもを理解し、保育計画のなかに保健面を反映させていくことが重要である。
第3に、園内研修は、充実しているであろうか。日々の保健活動の記録や乳幼児の保