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提案要旨

保育園長の立場から

佐々木妙子(東京都・慈愛会保育園長)

 

子どもをとりまく環境は、戦後50年を経て大きく変化してきました。

働く女性の社会進出に伴い、晩婚、未婚、子どもをもたないDINKSも目立つようになり少子化傾向は、社会的に様々な問題をかかえています。

児童福祉法が改正され、保育所の役割も家庭保育の補完に加え“子育て支援”の機能を高めることが強調されてきました。

核家族化により、子育てをどうしたらいいのか戸惑いを見せる親も増え、保育の現場でも“ちょっと気になる子”が目立つようになりました。発達、発育に少し遅れが見られたり、情緒が不安定で落ち着きがない子、乱暴の目立つ子、無表情で、子どもらしい感動や反応を見せない子等の姿があります。

そのいずれもが母親との規子関係に何等かの問題が見え、中には出産前から問題をかかえているという事例もあります。

妊娠、出産、育児という経過の中で、母親になることへの準備が不十分であったり、家族や、友達の支えに恵まれなかったということもあろうかと思われます。

21世紀を担う子ども達をどう育てるか、子育てする親をどのようにサポートしていくか、心身共に健康に育つ生活環境をつくるには、保育所、地域の保健所、医療機関、福祉関係機関が連携し、それをどう機能させていくか真剣な取組が必要です。

 

 

 

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