1941年生まれ。故斉藤秀雄のもとで指揮法を修め、1963年に桐朋学園大学音楽部を卒業。1964年2月に東京交響楽団を指揮してデビューののち、同年4月には同団の専属指揮者に就任、1968年に音楽監督・常任指揮者に就任した。
トロント交響楽団の副指揮者、アメリカ交響楽団音楽監督、バンクーバー交響楽団音楽監督、シュラキューズ交響楽団音楽監督を歴任。サンフランシスコ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ロスアンゼルス・フィル、フィラデルフィア管弦楽団、ニューヨーク・フィル、ボストン交響楽団、ロイヤル・フィル、ケルン放送交響楽団、バイエルン放送交響楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団などに客演している。
1991年東京交響楽団創立45周年記念ワールドツアーでは全公演を指揮して大成功をおさめ、1994年には東京交響楽団音楽監督就任30周年記念、東京交響楽団第400回定期演奏会を記念してシェーンベルクの歌劇「モーゼとアロン」(演奏会形式)を指揮し絶賛を博した。サントリー音楽賞、毎日芸術賞、芸術選奨文部大臣賞、京都音楽大賞、モービル音楽賞などを受賞。
現在、東京交響楽団音楽監督・常任指揮者、札幌交響楽団首席指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーを務めている。
◇花房晴美(はなふさ はるみ)
東京生まれ。ピアノを市橋陽子、三浦浩、片岡みどり、井口愛子の各氏に師事。桐朋学園高校を首席で卒業。その後、フランス政府給費留学生として渡仏。パリ国立音楽院で、ピアノをピエール・サンカン氏に室内楽をジャン・ユボー氏に学ぶ。1974年パリ国立音楽院ピアノ科、1975年室内楽科を卒業。
エリーザベト、シフラ、モンツァ、ヴィオッティなど国際コンクールに次々と最高位を含めた上位入賞を果たして注目を集める。
1978年日本ショパン協会賞受賞。1979年パリ音楽院の審査員に招かれる。フランス国内はもとよリヨーロッパ各国に招かれ絶賛を受ける。日本国内では、スウェーデン国立エーテボリ響の日本ツアーに同行し高い評価を得たほか、国内主要オーケストラのソリストとして欠かせない存在となっている。
レコーディング活動も活発で、最新CDには珠玉の名曲を集めた「アンコール」(フォンテック)がある。
現在、実力、人気ともに日本を代表するピアニストとして注目を集めている。1996年4月よりエリザベト音楽大学・大学院(広島)の教授を務める。
◇東京交響楽団
1946年に東宝交響楽団の名で創立。1951年東京交響楽団と改称して今日に至る。
1964年以来秋山和慶が音楽監督・常任指揮者をつとめる。1991年大友直人が正指揮者に、1994年から飯森範親が指揮者に就任。また客演指揮者に小林研一郎を擁する。1976年アメリカ、カナダ、メキシコ、1982年韓国、1986年中国にて公演を行う。1991年ヨーロッパとアメリカにおいて、“英国ジャパン・フェスティバル”や、国連本会議場における“国連デー・コンサート”などの公式行事参加を伴うワールド・コンサート・ツアーを実施して大成功を収めた。
現代作品への意欲的な取り組みと長年の業績がみとめられ1990年音楽之友社賞、1993京都音楽賞大賞を受賞。1994年秋山和慶の音楽監督就任30周年と第400回定期を記念して、シェーンベルク歌劇「モーゼとアロン」(邦人による日本初演)を上演し絶賛を博し、その成果に対し1994年度毎日芸術賞、文化庁芸術作品賞が授与された。1996年5月楽団創立50周年を記念してヨーロッパ公演を行う。1996年度モービル音楽賞を受賞。