日本財団 図書館


新日本フィルハーモニー交響楽団

New Japan Philharmonic

 

1972年、小澤征爾のもと自主運営のオーケストラとして発足。指揮者団に斎藤秀雄、小澤征爾らを擁して演奏活動を展開。これまでに小泉和裕と井上道義が音楽監督を歴任。定期演奏会は現在、上野の東京文化会館と渋谷のオーチャードホールで毎月開催され、今年6月には250回を数えるが、一貫して意欲的なプログラムと質の高い演奏は定評をえている。

また、88年から4年にわたる世界初の〈ハイドン交響曲全曲演奏会〉や、朝比奈隆〈ベートーヴェン、ブラームス交響曲チクルス〉、〈小澤ヘネシーオペラ〉など音楽界の注目を集める好企画・名演奏を続けている。

91年には、創立以来20年にわたって密接な関係を続けた小澤征爾が名誉芸術監督に就任。また、〈フレンド・オブ・セイジ〉のタイトルでM.ロストロポーヴィチが定期的に指揮合に立つほか、〈新日本フィル指揮者〉としてレオン・フライシシャーと高関健を擁している。今秋からは、墨田区が錦糸町駅前に建設中の〈すみだトリフォニーホール〉をフランチャイズとして、定期公演を始め数多くのコンサートを行い、地域を基盤とする東京初のオーケストラとして一層の飛躍を期している。

 

北原幸男(指揮)

YUKI0 KITAHARA,Conductor

 

桐朋学園大学で尾高忠明、秋山和慶、小澤征爾の各氏に師事。卒業後、NHK交響楽団指揮研究員となる。その後、バイロイト音楽祭でホルスト・シュタインに、またタングルウッド音楽祭でバーンスタイン、小澤征爾の薫陶を受ける。1982年から1984年までウィーン・フォルクスオーパーの助手を務める。1985年プラハでのターリヒ国際指揮者コンクール入賞。1985年から1992年までインスブルック州立歌劇場専属指揮者として活躍。ヨーロッパを中心に国際的評価を高めていった。

1992年9月ドイツのアーヘン市立歌劇場および同管弦楽団の常任指揮者に就任。1993年8月にほ音楽監督に就任し、1996年7月まで務めた。その間に手がけた主なオペラには、モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』、ベートーヴェン『フィデリオ』、ビゼー『カルメン』、ワーグナー『さまよえるオランダ人』、コルンゴルト『死の都市』、オッフェンバック『天国と地獄』、マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』、レオンカヴァッロ『道化師』などがある。また、コンサートでは、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲などをはじめとして、30曲以上のレパートリーを手掛けた。

国内でも1989年以来N響定期をはじめ、日本各地の多くのオーケストラとのコンサートに招かれると共にオペラ公演にも招かれ、高い評価を受けている。1992年N響定期の『ショスタコーヴィチ:交響曲第11番』はライヴ録音でCD化されている。1993年グローバル賞を受賞。

 

久保田巧(ヴァイオリン)

TAKUMI KUB0TA,Violin

 

東京生まれ。4歳よリヴァイオリンを始め、福島幸雄、西島英子、外山滋、江藤俊哉の各氏に師事。桐朋女子高等学校音楽科を経て、1977年桐朋学園大学ディプロマコースに入学。1978年、ウィーン国立音楽大学に入学し、ヴォルフガング・シュナイダーハン氏に師事。1983年、第2回フリッツ・クライスラー国際コンクール第2位、第3回ミケランジェロ・アバド国際コンクール第1位。1884年、ミュンヘン国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門で日本人として初めて優勝。

同年12月、東京でのデビュー・リサイタル。以来、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外で数多くのオーケストラとの共演、リサイタルを行う。

1987年から3年連続マールボロ音楽祭に参加。1988年、ピアノのアヴォ・クユムジヤンらとウイーン・ピアノ四重奏団を結成し、室内楽にも力を入れている。1987年よリサイトウ・キネン・オーケス卜ラに、また1990年より水戸室内管弦楽団にもメンバーとして参加。1991年5月より1年間、カザルスホール主催のリサイタル・シリーズ「久保田巧ウィーンを弾く」に出演。

1993年、日本光ディスクより「バッハ:無伴奏バルティータ集」がリリースされる。続いて、1995年5月には「愛の喜び―クライスラー・アルバム」、1996年1月には「シューベルト:二重奏曲集」が日本クラウンより発売。

現在、ウィーンと東京を拠点に演奏活動を行っている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION