東京フィルは、明治44年、1911年名古屋に生まれた音楽隊を母胎に、1932年名古屋交響楽団となり、1938年12月中央交響楽団の名のもとに、東京を本拠地として結成され、1996年創立85周年を迎えた日本最古の輝かしい歴史と伝統を誇るオーケストラである。
現在、東京フィルは年間170回に及ぶ演奏活動を行っている。その内容は年間10回の定期演奏会をはじめとして、オペラ・コンチェルタンテ、特別演奏会等の自主公演、文化庁移動芸術祭などの地方公演、NHKを主とした放送演奏、オペラ、バレエ公演でのピット演奏、レコード録音などその活動範囲の多彩さはわが国オーケストラの中にあって、ひときわ目だったものとなっている。
1984年春にヨーロッパ7か国を演奏旅行し、この成果を認められて音楽之友社賞を受賞。1987年には香港で行われた「アジア音楽祭」に招待され、又、同年、文化庁から芸術祭賞を授与された。
1989年8月、渋谷にオープンしたBunkamuraとフランチャイズ契約をし、そのメインホール「オーチャードホール」を本拠地としてより充実した体制を整え、9・10月には再度ヨーロッパに招かれ、8か国約20都市で1か月間にわたる演奏旅行を行い絶賛を博した。また、1994年10月には第3回定期ヨーロッパ公演を実施、ロンドンの「国際オーケストラシーズン」に参加したのを始め、ドイツ、イギリス各地で15公演を行い、改めて東京フィルの存在を世界的に確固たるものとした。
1992年4月からは常任指揮者に我国で最も期待される音楽家大野和士を迎え、東京フィルの実力を駆使したシリーズ「オペラ・コンチェルタンテ」をスタートさせ、きわめて高い成果を上げている。そして1995年12月に第11回オペラ・コンチェルタンテ「ヒンデミット・オペラ3部作」での演奏がきわめて高く評価され、平成7年度第50回文化庁芸術祭音楽部門芸術祭大賞を受賞した。
1995年4月から世界に誇るロシアの名匠ウラディーミル・フェドセーエフが主席客演指揮者に就任、指揮者陣も世界のメジャー・オーケストラにふさわしい陣容を整え、いっそうの充実を期している。