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第3節 公務員制度の概要

 

1 公務員法制

 

公務員に関する基本法はなく、建国直後の1950年の国家主席命令によっている。

(注)「公務員」を定義し、公務員を管理する法的枠組みとなる公務員関係法案が政府により提出されたことがあったが成立しなかった。現在、引き続き関係機関の意見を踏まえて公務員法草案を作成中である。

 

2 公務員とその範囲

 

(1) 公務員の定義

建国直後に、前述の公務員関係に関する国家主席命令が発布されたが、長期の戦争、中央計画経済のメカニズムによる社会経済の発展などにより、「公務員」の概念は共産党の「幹部」(Cadres)という概念に変化していった。しかし、公務員の概念が不明瞭なため、公務員の管理に影響が生じ、公務員の採用、研修、勤務評定、任命、義務の免除、配置などに多くの障害を抱えるに至った。

そのため、政府は、公務員の概念の重要性を認識して、1991年に行政命令を発布し、公務員を「中央又は地方レベル、国内外の国の機関に採用され、恒久的な職務に任命され、また一つの種類(category)と等級に分けられ、国の予算から給与を受け取っているヴィエトナム市民は公務員とする」と定義した。

なお、軍隊は公務員から除外されており、国・地方公務員の区別はない。また、10年前に国が計画経済から市場経済に移行したことに伴い、国営企業に勤務する者が公務員とされた。

 

(2) 公務員数(出所:国家行政学院提供資料)

・在職状況(1994年末現在)

中央 182,139名(16.1%)

地方 947,501名(83.9%)

合計 1,129,640名

なお、これらのうち管理職は、175,740名おり、全体の15.6%を占める。

(注)ヴィエトナム共産党、国の予算が充当される団体及び社会組織に勤務する幹部

 

 

 

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