的諸権利の拡大などを定めると共に、ドイモイ政策の具体策として、市場経済の導入、私有制の公認、長期の土地使用権、外国企業との合弁事業の承認、外国企業の資産の非国有化などの方針を定めている。
憲法上、「共産党は、ヴィエトナム労働者階級の前衛として、労働者階級、勤労人民及び国家全体の権利と利益を忠実に代表し、マルクス・レーニン主義とホーチミン思想に則り、国家と社会を指導する勢力である」と定めている。
2 国家主席(元首)
国家主席は元首として、国の内外に対し、国を代表する。国家主席は国民議会の議員によって選出され、その任期も国民議会が決定する。
国家主席の任務と権限としては以下のような事項が挙げられる。
・憲法、法律、法令の発布
・国家副主席、首相、最高人民裁判所長官、最高人民監視統制局(Supreme People's Office for Supervision and Control)長の選出、解任の提案を国民議会に行う
・副首相、閣僚大臣又はその他の高級官吏の任命、解任
・特命全権大使の任命又は解任など
3 立法
国会(National Assembly。一院制)は、人民の最高の代表組織であり、国家権力の最高機関である。任期は5年、年に2回招集され、定員は450、現国会(1992年7月に改選された)の議席数は395となっている。中選挙区制度を採っており、選挙権は18歳以上、被選挙権は21歳以上となっている。1992年の国会選挙では共産党や同党の大衆政治団体の推薦がなくても立候補が可能となり、個人候補者が立候補したが、議席獲得には至らなかった。
国会は、法律の制定の他、国家主席、国家副主席、国会の議長、副議長、常任委員会の構成員、首相、最高人民裁判所長官、最高人民監視統制局長の選出及び解任の権限を有する。
法案提出権は、国会のほか、国家主席、政府、最高人民裁判所、最高人民監視統制局、国籍審議会、ヴィエトナム祖国戦線及びその会員組織が有している。国会の法律及び決議は、国会議員の総数の半分以上の賛成で成立する。