(6) 射手が薬きょうを薬室に装てんし、折った銃身を元通りに戻そうとした際に暴発して怪我をした例
経過
射手が薬きょうを薬室に装てんし終わって、折った銃身を元通りに戻そうとした際に暴発し、薬きょうが飛び出した右腕に当たって可成りの怪我をした。
原因は次の二つの場合が考えられる。
イ. げき針が突出した状態であったところへ、薬きょうの雷管部分を強くこれに圧し当てたため、銃身が完全に元に復しない内に暴発した。
ロ. げき針の前面に小石等の堅い固形物が付着していたため、銃身を元に戻す時にはこれを雷管との間に挟んで強く圧したため暴発した(図4.参照)
対策
イ. 通常げき針は突き出していても、指先で圧しただけで内部へ後退する構造になっている。(図1.参照)
しかし、内部に固く固まった古油や錆、ゴミ等が詰まっていると、げき針が突出したまゝの状態となってしまう。(図2.参照)
指で押さえてもげき針が内部へ入らない場合は発射を中止し、げき針押えボルトをゆるめて抜き出し、げき針を取り出して、孔の中および取り出したものを清掃し油を塗布して復旧する。(図3.参照)
復旧してげき針の動作状況を再度点検し、それでも円滑に作動していない場合は修理に出す。
ロ. 薬きょうを薬室に入れ終わったら、銃身を元に戻す前にげき針部分を必ず確認し、げき針が突出している場合は指先で内部へ押し込み、異物等が付着している場合は取り除く。