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遭難者を発見したが、荒天に加え同船の舷が高く、一人では救助出来ないため、無線で付近の漁船に救助協力を呼び掛けたところ大成丸(船長泉満義)が応答し、現場に現われたが、波浪のため接舷が困難なので、泉船長は海中に飛び込み繁栄丸に乗り移り、2人で協力して漂流中の遭難者を船内に引き吊り上げ救助した。

○北海道支部青苗救難所

(北海道推薦分)

平成8年11月28日午前9時半頃、機関故障により漂流していた中国貨物船が奥尻島群来岬沖で座礁したため、乗組員は次々と重油が大量に流出した海に飛び込み、遭難船から脱出を図った。

連絡を受けた青苗救難所長は所員47名を招集し、警察、海上保安部との連携のもと海岸線を巡回し、自力で海岸に近づく乗組員を発見、所員が海に飛び込み、抱きかかえて海岸まで引き揚げ、中国人18名を救助した。乗組員は油にまみれており体を拭いて介抱後、海上保安部のヘリコプターに乗せ、午前12時救助を完了した。

当時、海上は波高4〜5mで、風速15m、海水温度9度と低く、しかも流出した原油が海岸域に浮いている状態であり、救助には過酷な状況であったが、所長の指揮下、所員一丸となって救助活動を行ったものである。

 

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