Q-3 先日、父母の会の会合があったのですが、その際に扶養共済制度というものがあるということを聞きました。我々障害児を持つ親にとって良い制度であるのなら是非加入したいと思っているのですが、一体どのような制度なのか具体的に教えて下さい。
A この方の質問は、心身障害者扶養共済制度についてです。
この制度は、障害を持つ子の保護者の相互扶助の精神に基づいて、保護者が生きている間一定の掛け金を納付し、保護者が死亡したり重度の障害を持ったとき、残された心身障害児者の養育と経済保障の財源として、終身年金として備えるための「相互扶助の共済制度」として昭和45年に発足した保険制度です。
またこの制度は、心身障害児者をかかえる親達の自助努力に対して、国の福祉対策と事業団による県の共済責任を保険する扶養保険制度であるとともに、生命保険会社や信託銀行の援助により、「親」「地方公共団体」「国」「民間社会」の四者一体の制度として体系をなしていることも特徴です。なお、東京都の場合は東京都心身障害者扶養年金制度となっています。
しかしこの制度も、近年の低金利の影響を受けて、保険金の運用利回りの低下により年金の給付を将来にわたって安定的に給付するための財源も逼迫してきたことから、掛け金の引き上げや公費による財源支援措置をすることなど制度の安定化を図る目的に、平成8年1月に改正されました。
この制度の概要は以下の通りとなっています。
1. 心身障害児者を持つ親達の自らの連帯と相互扶助の精神を基調として生まれたものです。
2. 道府県、指定都市が実施している福祉制度であり、安い掛け金で高い保障が受けられる有利な制度です。
3. 保護者に万が一のこと(死亡、重度障害)があった場合、残される心身障害児者に一生涯、毎月年金(1口加入の場合は2万円、2口加入の場合は4万円)が支払われます。
4. 道府県、指定都市では、掛け金の納付が困難な人に対して、掛け金の免除、減額を行っています。また、加入者が継続して20年以上加入し、かつ65才以上に達した場合は、その後の掛け金は納付しなくても良いことになっています。
5. 掛け金や年金には税金がかかりません。
6. 平成8年の改正により、一定期間以上の加入者が脱会した場合には加入期間に応じて脱会一時金が支給されます。
といったことが特色として挙げられます。
この制度でいう心身障害児者とは、以下のいずれかに該当する障害を持つ人で、将来独立自活することが困難であると認められる人となります。
? 精神薄弱児者
? 身体障害児者…身体障害者手帳を所持する1級から3級までに該当する人
? 精神又は身体に永続的な障害を有する児者で、1又は2と同程度の障害と認められる人。例えば、