Q-1 ここ数年、福祉に関する法律や制度が随分と変化しているということを聞きました。この間も、福祉関係の法律が改正された等ということが話題となったのですが、私にはどういうことなのか良く分かりませんでした。そこで、現在の法律や制度、これからの福祉の流れがどのようになっていくのか教えて下さい。
A この方の質問は、最近の福祉行政の流れ、つまり福祉八法のことでしょう。
この福祉八法の改正とは、平成2年6月22日に国会で成立した「老人福祉法等の一部を改正する法律」による、昭和20年代に基礎が築かれた福祉制度の抜本的な改革のことです。
この改正は、現行の社会福祉制度を取り巻く環境の変化と、21世紀の本格的な高齢化社会への対応、家族形態の変化、国民意識の多様化・個性化等を踏まえ、住民にとって最も身近な市町村で、在宅福祉サービスと施設福祉サービスとが、きめ細かく一元的且つ計画的に提供される体制づくりを進めるために行われました。
この改正で改正された法律は、
? 老人福祉法
? 身体障害者福祉法
? 精神薄弱者福祉法
? 児童福祉法
? 母子及び寡婦福祉法
? 社会福祉事業法
? 老人保健法
? 社会福祉・医療事業団法
の8つの法律であり、そのことから「福祉八法」の改正と言われています。
この改正の概要は、以下の通りとなっています。
1. 在宅福祉サービスの積極的推進
・ ホームヘルプ、ショートステイ、デイ・サービス等の在宅福祉サービスの積極的な推進を図るため、福祉各法における規定を整備し、その位置付けが明確化されました。
・ 福祉各法基づく在宅福祉サービスを一層進めるため、これを新たに社会福祉事業法上の社会福祉事業として追加されました。
・ 総合的な在宅福祉の振興、充実を図るため、民間における在宅福祉事業の先駆的、モデル的な実施や在宅福祉従事者の養成、研修等に対し、実情に即した支援等を行う基金(長寿社会福祉基金)を社会福祉・医療事業団に設置されました。
・ 市町村社会福祉協議会等を在宅福祉サービス等を企画、実施する団体として位置付け、在宅福祉サービスの供給体制の整備を進めるとともに、共同募金の配分規制の緩和により在宅福祉サービス等に対する助成が強化されました。