6. 同程度の厚さの除棚(のけだな)(舷側板(げんそくばん))を外側に重ねて補強した上棚の上部に横張力用の上船梁を入れ、舷外に突き出た上船梁の端を台(だい)(太い角材)で連結して船体強度を高めます。船体中央部に垂直に立つのが帆柱を支える筒と筒挟み(つつばさみ)です。
7. 上棚の上縁にほぼ垂直にハギツケをはぎ合わせ、前部に合羽(かっぱ)(甲板)を張りつめます。18世紀中期に普及するハギツケと合羽(かっぱ)は、耐航性の向上と積載量の増大に大きな役割を果たしました。船首近くに垂直に立つのが、帆柱を倒したときの受けとなる舳車立(おもてしゃたつ)です。
8.台の上に垣立(かきたつ)を立てます。舳(おもて)垣立は艫(とも)垣立よりも低くし、胴の間の上部を取り外して、荷役を行うとともに、空船のときには伝馬船(てんまぶね)を搭載します。艫垣立の上に張る屋倉板(やぐらいた)は、操舵(そうだ)や操帆(そうはん)を行う作業甲板であると同時に乗組員の居住兼作業区画の屋根の役割を果たします。
9. 棚板の上に保護用の薄い包板(つつみいた)を張れば、船は完成します。船卸(ふなおろ)しのため船を手木(てぎ)で持ち上げ、下輪上面の上輪を取り外し、水際まで敷き並べた修羅板(しゅらいた)(堅木の板)の上にカシのコロを多数おいて船をのせます。
10. 船から沖の碇(いかり)にしかけた滑車(かっしゃ)に綱をとって轆轤(ろくろ)でまきながら徐々に船を動かし、船卸しの当日、船上から撒銭(まきぜに)・撒餅(まきもち)をふるまい、船を水に卸して船主と船頭以下の乗務員が乗って乗初めを行います。
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