4-2-2 海洋科学関連の研究分野
a. 隣接科学分野
海洋という地理上の広がりをもつ研究対象には,多くの接点をもつ地球構成要素群が存在する。例えば,アイテムと分野としては,
気象…………………気象学
気候…………………気候学
陸域…………………陸域学(仮称)
湖沼…………………湖沼学
陸水…………………陸水学
船舶…………………船舶学
漁業…………………漁業学
運輸…………………運輸学
等々である。ただし,これらを隣接と見なすかどうかは,まとめる例のスタンスによることは明白であり,応用分野とか周辺分野のとり方も全く同様である。
b. 応用科学分野
海洋科学は,それ自体,応用分野を多く抱え込んでいるから,応用局面を一つの象限においた分野整理学は有効である。例えば,未利用エネルギーとして海洋の温度差を利用した発電,潮差利用や波浪利用の発電素を考えた場合,海洋科学の応用局面分野として,今後,海洋エネルギー学なる新分野を立てて研究を進めることも可能である。となると,海洋資源学が鉱物や生物資源に目を向けたものから,エネルギー資源をもターゲットにした分野に成長することも十分に考えられる。包含される分野の拡大という展開局面である。
c. 周辺分野
海洋科学にとって周辺分野と位置づけられる諸分野は,かなり大きい基礎分野であることが多かろう。例えば,鉱物学をとりあげてみると,ふつうは全く無縁の2分野のように思われるであろうが,NaClはれっきとした鉱物であり,サンゴ骨格や貝殻をつくるCaCO3もまたアラレ石や方解石であり,さらに大型生物の骨格の大切な部分である歯牙にはアパタイトが主成分となっているなど,案外関連は深く,周辺分野として位置づけておく意