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死亡以外の理由により既に離職した元職員に対しても、重大な服務違反があったと思量されるときは調査が行われる。調査の結果、減俸以下の処分が相当と判断されるときは処分されないが、それ以上の処分が相当と思われるときは処分が行われる。

職員が重大な服務違反を理由に調査されるとき、又は過失など以外の理由により刑事訴訟の被告になったときは、調査結果、訴訟結果が出るまで休職にすることができる。後日、無実になったとき又は免職にするほどまでには至らないと判断されるときは、元の官職に復帰する。なお、休職中の給与については、調査の結果、重大な法令違背があり免職に相当する場合には支給されず、法令違背はあったが重大なケースでなかったときには最大50%の給与が支給され、法令違背がなかったときには100%給与がペイバックされる。

各懲戒権限機関が決定した処分は、本省とともに人事委員会に報告される。人事委員会はその処分が不適当と考えるときは、首相に報告し、各機関に原処分を修正するよう首相に勧告する。なお、首相は一般公務員の服務違反を調査するため調査委員会を設置することができる。

(4) 懲戒処分の件数

1996年度に一般公務員に科された懲戒処分(解職を含む)件数は、1008件で、その内訳は下記のとおり。

譴責 329件  減給 327件  俸給号俸引き下げ 113件

諭旨免職 39件  懲戒免職 169件  解職 31件

 

3 不服申立

(1) 懲戒処分に対する不服中立

懲戒処分を受けた職員は、不服を申し立てることができる。不服申立期間は、職員が処分の通報を受けてから30日以内となっている。

懲戒処分に対する不服申立てをどの機関に対して請求するかは、処分の程度及び処分者によって異なる。譴責、減給、減俸については、局長以下の職員が処分者の場合は局の人事小委員会、局長が処分者の場合は省の人事小委員会、大臣や事務次官が処分者の場合は人事委員会に対して、不服を申し立てることができる。諭旨免職、懲戒免職の場合は人事委員会に対して不服を申し立てることができる。

審査機関は不服申立を受けてから、15日以内に決定を下さなければならないこととされているが、実際の審査にはもっと長期間要している。審査機関は申し立ての棄却、原処分の増加、減少、取消を行うことができ、人事小委員会の決定に当該人事権者は従わなければならない(たとえば、省の人事小委員会の決定に当該省の大臣は従わなければならない。)。

 

 

 

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