2 懲戒
(1) 懲戒処分の種類
服務規律違反に対しては、懲戒処分が科される。懲戒処分の種類としては、以下の5種類がある。
・ 譴責 戒告に相当。譴責処分を受けると、次の年には年次昇給が受けられない
・ 減給 俸給の5%、 1〜3ヵ月
・ 俸給号俸引き下げ 1号俸の引き下げ、次の年には年次昇給が受けられない
・ 諭旨免職 年金受給権には影響がない
・ 懲戒免職 年金受給権も失う
違反の性質・程度と懲戒処分の軽重は比例していなければならず、復讐・怒りから懲戒処分が決められてはならない。また、懲戒処分命令には違反の事実とどの規定に対する服務義務違反かが述べられていなければならない。
(2) 懲戒処分権者
懲戒処分の軽重により懲戒権者が異なっている。比較的軽い処分の懲戒処分権限は任命権者が有しているが、重い処分については任命権者の上部機関が有している。また、上部機関は、下部機関たる任命権者が科した懲戒処分を軽重どちらにも修正することができる。
(3) 懲戒処分に至る調査
懲戒処分は公平・迅速な真実発見の調査に基づいて行われる。職員が服務義務違反を犯していると思われるときは、まず、その職員の上司が適切な措置を取らなければならない。すなわち、上司は、職員に服務義務違反がないか調査し、服務違反の程度が軽微なときは自らが適切な措置を取り、服務違反の程度が重大なときは、調査委員会が設置(調査対象となる職員よりはランクの高い職員から構成される)するよう要求する。調査の対象となる職員には、訴追されている事由及び証拠が開示される。
調査委員会の調査の結果、服務義務違反がないときは懲戒手続は終了し、重大でない服務違反があったと判明したときは譴責、減給、減俸、重大な服務義務違反があったときは諭旨免職、懲戒免職に付される。懲戒処分の調査は30日以内に終了しなければならない。延長する場合でも最長60日までとされている。なお、服務違反が明白なときは調査をするまでもなく懲戒処分を科しうる。