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にするためには、これが必須であります。といいますのも、これが、プロジェクトの意図する大きな貢献のひとつでありますから。そして、終りに当り、尾高先生と同僚の研究者の方々に対しまして、このような極めて難しい、課題の大きい仕事を実施する責任を持たれたことについて賞賛の辞を申し上げたいと思います。私が仮に依頼を受けたといたしても、とてもこなすことのできない仕事であるからであります。議長ありがとうございました。

議長:ビジョイさん、ありがとうございます。それでは、セリンさんに、藤江さんのコメントに対する回答をして報告のしめくくりをしていただきます。

 

セリン:議長、ありがとうございます。藤江さん、コメントありがとうございました。また、スーン博士の論文のいくつかのポイントを要約していただきまして、ありがとうございました。さらに、日本における統計の進展状況についてもお話いただいたことを感謝申し上げます。

統計の開発に対する制度的な制約について、どのような種類の制約のことをいっておられるのかはっきりわからなかったのですが、我々のセッションの議長と先程お話したことを思い出します。それは、統計専門家は、新しいものに出会うとしばしば非難し、また、データを捜すことを非難するということでありまして、藤江さんがいっておられたのも、恐らく、このことではないかと思います。この場合、多分、制度的な仕組みのどういう点が変更されつつあるかについての説明を、一般公衆や政治家に対してすることが有用であろうと思います。

各国間にわたるフレームワークをどのように調和させていくのか、各国間の意見の不一致の問題、どのようにすればもっともよい統計分析ができるのか、といった点については、各国相互間の技術的な支援が有用だという事実から、各国の統計機関が相互に訪問し合うことが有益だと思います。シンガポールの統計局がどのようなことをやっているのかといった詳細をみてみますと、統計機関相互に訪問するのではなく、他の国々からの訪問に対してホスト国となるなどによって情報を共有し、統計を調和させるための問題意識を共有するということもあります。

さらに、統計フレームワークを変更することの困難性に関しては、具体的な例として金融統計、例えば貸付けや預金のデータがあります。確かに困難ではありましょうが、それはやらなければならない作業であります。統計のユーザーとしての私は、実は中央銀行に勤めておりますが、フレームワークが改訂されることは有用であり、歴史的データもアップデートされ、データに何らかの連続性が保たれることは、比較の点から常に有用であるという事実を強調しておきたいと思います。

次に、調査に対する回答者についてですが、なぜデータを追加する必要があるのか、について調査の回答者に説明することが、役にたつと思います。シンガポールには、統計法がありまして、法律によって我々は情報を統計局に提出しなければなりません。以上が私のコメントです。

 

議長:ありがとうございます。時間が十分あると思いますので、私の方から、尾高先生から提出さ

 

 

 

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