おります。また、輸出に占める割合も、同様に下がっております。石油および天然ガスが輸出全体に占める割合は、1990年の43.1%から1996年の23.5%と約半分に下がっております。また、経常的歳入に対する石油および天然ガスの比率も、減少の傾向にあります。ということは、われわれの経済、特に工業セクターを押し進めて行かなければならないこと、また、他の資源に依存しなければならないことを意味します。
本報告書249頁の4を見ていただきますと、持続可能性のための指標を載せております。社会指標、生態系指標、そして経済指標の観点から論じております。社会指標については、今朝フィリピンの報告者から、HDI(人間開発指標、Human Development Index)のお話があり、私もHDIが非常に重要だと思います。しかしながら、時に、高い経済成長は達成しても、HDIの水準はより低いということもあります。インドネシアでは、HDIの構築を州(Province)のレベルで行った経験があります。我々は、各州ごとの比較をすることができるわけです。経済成長が高く、HDIも高い州と、経済成長は高いが、HDIはより低い州があります。
そういう意味で、どの程度人間の資源の開発を促進することに努力がなされているかを知るためのよい指標となります。具体的には、平均寿命、教育水準の高さ、貧困水準の低下などから見ることができるわけです。インドネシアでは、貧困の水準は現在約11%であります。1970年代と比べますと、1970年には60%であったのが、96年には、貧困水準はわずか11.3%であり、傾向として、下がってきているということが言えます。
それは、政府が、貧困撲滅のため、農村部でいくつかのプログラムとプロジェクトを用いて進めている、といった努力の成果だと思います。最近では、開発が遅れている農村を特定し、その地域における貧困層に対して、政府が支援を提供しております。ということで、2千万ルピアがいわば種(たね)となる資本として、それぞれの村に提供されます。また、いくつかのグループの人々が派遣されます。これをいわばローリングの形で行っておりますので、ある村でうまくいき、お金ができたら、そのお金を次の村に投じていくことになります。
わが国の現在のGDP成長率は、ますます高くなっており、1人当り所得も上昇してきております。しかし、ドルと比較してみますと、問題に直面しております。現在、ルピアは下落しており、40%も下がってしまいました。2500ルピアが1ドルだったのですが、現在では、3700ルピアが1ドルになっているわけです。
ですから、ルピアのドル換算では、1人当たり所得は下がってきていることになります。そこで、我々は、貧困に関連しては、1人当たり1日1ドルといった計算はしておりません。非常に難しいわけです。カロリー摂取を用いて、2100カロリーとプラスいくらかの食料以外の支出といったような計算をしております。
次に、天然資源勘定の構築についての我々の経験に移ります。CBSは、1996年以降、環境統計の作成以外に、天然資源勘定を構築する責任を負っております。しかし、当面、我々はよいデータ