ります。それらは、消費のために用いられ、あるいは生産過程で用いられるものであります。資本と同様に、天然資源は、生産的なサービスを産出し、長期にわたって資源を提供することができるものです。この場合、そのサービス時間に基づいて、天然資源は再生可能なものと再生不可能なものとにわけられます。再生可能資源としては、森林とか水を例としてあげることができるでしょう。再生不能資源としては、鉱物資源あるいは地下資源をあげられると思います。
どの国も、いろいろな天然資源を持ち、経済の成長に貢献してきました。インドネシアにおきましては、石油と天然ガスがあります。GDPの15%が石油および天然ガスによって占められております。石油および天然ガスのほかに、森林資源もあります。合板産業のための木材が生産されております。ということで、経済において、このように大きな役割を天然資源が果していることから、私は、この論文で天然資源特に石油と天然ガスを主として扱っております。
SNAにおきましては、まず、経済資産とはどういう意味のものかが書かれております。経済資産があり、また、環境資産があるというわけであります。経済資産は、所有権によって所有者が経済的な便益を受けることができる資産と定義されております。経済資産は、SNAよりも広く定義されております。公海で得られる資産なども含まれております。そこから取り出されたものは、すべて計算しなければなりません。
どのような資産のタイプがあるかについて、お手元のSEEA(環境・経済統合勘定体系)の資料を見ていただけばよろしいと思います。表1(244頁Table 1)には、いろいろな資産、即ち、生態資産、土地、あるいは地下資源、水そして空気が載っております。空気も非常に重要な資産ということで載せられております。さらに、定量的な利用は項目(2)、質的な利用は項目(3)、さらに、環境悪化の影響については項目(4)に載っております。
次に、環境および天然資源統計に移りたいと思います。これは天然資源勘定および環境統計を構築するのに重要であります。環境および資源統計を作成する目的は、一定期間における資源の現状およびその変化についての情報を提供することであります。インドネシアにおきまして、我々はこの環境統計を1982年以降作成してきた経験を持っております。そして毎年、定期的に発表しております。我々は、国連からのガイダンスに従っております。お手元の資料には、環境に関する多くの情報が載っております。これは、環境に関する基礎的なデータと呼べるかと思います。そして、環境統計が入手できますと、天然資源勘定をその情報から構築することができるわけです。
天然資源勘定は、一国の天然資源のストックとフローをモニターすることを目的としております。なぜならば、天然資源あるいは天然資源のタイプについて、天然資源がある時期においてどのような状況にあるかを概観する必要があるからであります。ですから、どのくらいのストックが残っているのか、どのくらい余剰のストックがあるのか、どのくらいの期間からあとはもう使うことができないのか、がわかります。このように、天然資源勘定は非常に重要であります。もちろん天然資源といっても、いろいろな種類があります。どのコモディティも、それぞれ勘定を持つことができ