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「資金循環表」でありますが、国家経済社会開発庁(NESDB)により、中央銀行であるタイ銀行と共同で、1972年以来、毎年作成されてきました。現在は、作成の責任は、NESDB単独のものとなっております。

「国際収支表」でありますが、1961年以来、タイ銀行が作成の責任機関となっております。概念フレームワークと分類システムは、IMF勧告に基づいております。データは四半期ごとおよび暦年ごとに入手可能であります。

「国民貸借対照表」でありますが、その作成はNESDBの責任となっております。現在、建物、機械、設備の資本ストックおよび金融資産のストックのみが推計されております。土地、その他の有形、無形の資産等、天然資源、著作権、特許権、知的所有権などは、まだ推計されておりません。

次に、統計システムでありますが、1965年の統計法によって、タイの統計制度はなかば分散された(semi-decentralized)システムになっております。国家統計局(NSO)は、主要なセンサスや調査、例えば、人口センサス、農業センサス、工業および商業(ビジネス)センサス、社会経済的な調査(世帯所得および支出調査)を実施する役割を持っております。NSOの95年の総予算は2800万USドル即ち国の年度予算の0.15%で非常に小さいものでありました。その他の省庁あるいは組織は、NSOの承認を得なくても、独自の利用のためにセンサスや調査を実施できることになっております。行政統計もすべての省庁から人手可能であります。

一方で、経済・社会計画の立案および計画の評価を容易にし、他方、統計作成者およびその他のユーザーの便宜を図るための統計の調整は、体系的に確立されたものとなっておりません。統計の開発に関する政策は、国の開発計画の実務において主要テーマとはなっておりません。それは、我々が統計開発の計画を持っていないということであります。

天然資源の枯渇および環境の悪化について意識することが、80年代以来非常に大きな社会的な課題となってきております。第5次「国家経済社会開発計画」(NESDP)において、その否定的な影響について指摘がなされ、注意喚起がされております。都市の環境を悪化させた工業の発展と天然資源、特に森林および土地利用のミスマネージメントから生じる影響は、持続可能な発展に対する制約条件と考えられております。第8次NESDPにおいては、環境問題は、国の主要目標の一つとして、人間開発および経済競争とともに取り上げられております。

環境計画を支援するための第7次NESDPの調査、これは主としてタイ開発研究所が行ったものでありますが、その準備のなかで、社会経済面および環境面の展望が明らかにされております。政策、戦略、手段のほかに、この調査では、環境問題の大きさの評価とデータ開発への示唆が含まれております。政府の制度的な配置としましては、国家環境計画局が、科学技術省の下の三つの独立した部局に分割されました。即ち、(1)環境政策及び計画局、(2)有毒物質規制局、(3)環境品質向上局であります。こういったことを実行するために、法律や規則が大幅に改正されております。その他の省庁も、環境面の課題についての貢献を拡大しております。環境教育に関して、ほとんどの大

 

 

 

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