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(3)「海の底を歩く」―ふるさと新発見

子ども地域環境フォーラムin北九州 放課後倶楽部スタッフ

 

「海の底を歩く」いささか大げさなテーマに思われた今回の地球環境フォーラム。はたして子どもたちの中に何が残せるのか。不安がよぎる中11月3日をむかえた。

11月3日午前10時 めかりにバス2台が到着する。予定よりやや早め、滑り出しは上々である。バスを降り、そのまま広場に集合。いよいよ地球環境フォーラムの幕開けである。

まずは諸注意。子どもの集団であるために気を使う。道の歩き方、話の聞き方など、ひとつひとつていねいに教えこむのである。そして、今回の講話の第一弾関門海峡についての話を塾長からしてもらった。

その後一行は2列で移動を開始。まずは波のうち寄せるすぐそばを歩き、海峡を観察する。途中、波しぶきなどがかかった子などもいて大いに盛り上がる。約5分で人道口エレベーターに到着。教室ごとにエレベーターでいよいよ「海の底へ」。

人道エレベーターを降りたすぐそばの広場で、関門トンネルについての話を聞いた。上が車道、下が人道などという話は、けっこう興味深そうに聞いていた。それから下関側へ向かって移動開始。先ほどの話により、各自海の底を歩いているという自覚を持つことができたといえよう。

下関側のエレベーターから地上にもどってきた子どもたち。先ほどの門司側人道口が、海の向こうにあるのを見て、本当に海の底を歩いたんだということを改めて実感。大きな感動を呼んだようである。

さらに一行は火の山ロープウェイの壇ノ浦駅に移動。途中、かなりの急坂に置いて行かれる我々職員。子どもの元気の良さ、自分の体力のなさを、ひしひしと感じさせられた。

壇ノ浦駅よりロープウェイに乗車する。ロープウェイは意外と高いところを通るため、こわがる子供もいて、車内はいい雰囲気である。約3分で山頂に到着。そこから約5分ほど歩き昼食場所に到着した。ここまで約2時間。ここで1時間ほど昼食、自由時間となった。

午後1時30分、ロープウェイ火の山駅横の公園に集合。お楽しみ抽選会である。事前に渡しておいた番号札によりいろいろな賞品が当たるというものだ。毎回この抽選会は大いに盛り上がる。この抽選会の後、塾長による「源平合戦」の話があり、来た時と同じようにロープウェイで壇ノ浦にもどった。

壇ノ浦駅に待機していたバスに乗りー行は、赤間神宮へと向かった。安徳天皇ゆかりの神宮で子どもたちは歴史を学ぶことになっている。到着の後、宮司さんの先導のもと境内をめぐり数々の話をいただいた。特に平家一門の墓の前での「耳なし芳一」の話などは、大変おもしろかったようである。

午後4時、子どもたちはバスで赤間神宮をはなれた。これで今日の予定はすべて終了。後は無事に帰るのみである。

今回、関門海峡を中心にしていろいろな話を聞くことができた。自分の住んでいるところのすぐそばに、このような歴史があったことを子どもたちの中にどのくらい受け止めさせることができたのか。このことが今回のフォーラムの最大の焦点といえるだろう。ただ行って、おもしろかっただけでは何もならない。1つでも2つでも子どもたちの心に刻みつけ郷土を見直し、愛する気持ちを持ってもらうこと、このことを次回以降も心がけていきたいと思う。

 

 

 

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