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(3) 関西における輸出入推移3

 

1996年(平成8年)の関西の輸出額は8兆9,877億円、輸入額は7兆6,339億円である。製品輸入比率は繊維製品、電気機器などの増加から63.3%となり、過去最高を記録、全国を3.9ポイント上回っている(図表2-4、次ページ)。

全国シェアの推移をみると、震災で落ち込んだ95年に比べ、96年には輸出は1.6ポイント、輸入は0.8ポイントそれぞれ上昇し、ともに20.1%となったが、震災前の21%台にはまだ回復していない(図表2-5、次ページ)。

主な輸出品日は、?@半導体など電子部品(7,244億円、構成比8.1%)、?A事務用機器(6,343億円、構成比7.1%)、?B織物用糸・繊維製品(5,448億円、構成比6.1%)であり、主な輸入品目は、?@衣類・同付属品(9,876億円、構成比12.9%)、?A電気機器(6,134億円、構成比8.0%)、?B原油・粗油(4,736億円、構成比6.2%)、の順となっている。このように、家電産業関連、繊維産業関連の輸出入が関西圏域における貿易を支える大きな柱になっていることがわかる(図表2-6、55ページ)。

このうち、大阪港が輸出で1兆9,793億円、輸入で2兆3,098億円、神戸港がそれぞれ4兆1,176億円、2兆3,884億円となっている。大阪港が輸出より輸入が上回っているのに対し、神戸港は輸出が輸入に比べ大きな額となっている(図表2-7、56ページ)。ちなみに関西国際空港の輸出が1兆7,194億円、輸入が1兆4,510億円となっており、大阪港・神戸港・関空で関西における輸出入額の大方の部分を占めることとなる。大阪港の主な輸出品は、一般機械(6,175億円、31.2%、電気機器(4,454億円、22.5%)、などであり、主な輸入品は、食料品(5,243億円、22.7%)、繊維製品等(4,458億円、19.3%)などとなっている(図表2-8、56ページ)。

神戸港の主な輸出品は、一般機械(1兆2,435億円、30.2%)、電気機器(9,635億円、23.4%)などであり、主な輸入品は繊維製品等(5,159億円、21.6%)、食料品等(3,941億円、16.5%)などである(図表2-9、56ページ)。

なお、物量ベースでみると、93年度の関西で生産された輸出品(コンテナ船のみ)は、約93万2,470トン弱、関西で消費された輸入品は約127万4,150トンで金額ベースとは対照的に輸入量が輸出量を上回る。統計にはないが、輸出貨物は神戸港頭地区でバンニングしているものが多く、輸入貨物は消費地へ直接ドレージしているものが多い。また、神戸港頭地区でバンニングして大阪港へ、大阪港頭地区でバンニングして神戸港への流動も見受けられる。

 

注3 大阪税関『近畿圏貿易概況・速報』、神戸税関『神戸港貿易概況』を参照。

 

 

 

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