しかしそのチャン・チェンは、この作品を最後に2年間の兵役入り。せっかく上昇気流に乗りつつあった芸能活動をいったん休止せざるをえなくなったというニュースは、ファンを大いに悲しませる。
けれども兵役入りしてしまったからといって、僕らはこれから2年間彼の姿に接するチャンスを奪われてしまったと考えるのは早とちり。たしかに映画では、早くても99年半ばまで彼の姿に接しられる可能性はない。でも、入隊している部隊をオッカケよろしく突撃訪問、なんて方法をとらなくとも、彼は存分世間と接することが出来るのだ。本書に収録されている写真だって、兵役中の11月に、台湾で撮られたものなのだから。
チャン・チェンが配属された部隊は、国防部芸術工作総隊、略称芸工隊。陸軍にも海軍にも空軍にも属していない独立した部隊だ。その役割は芸術関係の領域で他の隊員たちを元気づけたり、一般国民に軍隊のPRをしたりといったこと。銃や大砲の発射訓練に明け暮れているのかと思いきや全くそうではなく、日々歌って踊って演技しての―それはそれで何でこんなことしてるのか考えだすと虚しくもなろう―毎日を過ごしているようなのだ。忙いときは忙しいらしいが、いつも部隊の中で生活させられているわけでもない。本書収録の写真を撮影した前後一週間の内、少なくとも3日は休日ということで家でゴロゴロしていた。そんなところがチャン・チェンクンの近況だ。