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桂花小路

1987年 112分 カラー ヴィスタ 中央電影公司 嘉禾有限公司

 

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少年(P45)参照

陳坤厚

チェン・クンホウ

監督

 

解説

 

女性作家・蕭麗紅の同名小説を映画化。カメラマン出身の陳坤厚が監督、撮影も兼任した。陸小芬が10代の少女時代から70歳の老人までを演じた“女の一生”もの。陸小芬は、この作品で第33回アジア太平洋映画祭最優秀主演女優賞を獲得した。また、台湾南部の風俗や民俗行事の描写、時代考証には特に力が入れられている。実力派歌手・潘越雲の歌う主題歌は、呉念真作詩、陳楊作曲で、第24回金馬奬最優秀映画挿入歌賞を受賞している。

 

物語

 

民国初期の台湾。貧しい漁村に生れた剔紅は、幼いときから桂花巷の刺繍工房で働いている。12歳のときに両親を失い、16歳のときに仲のよい弟を海でなくした。彼女は家族を奪っていった貧しさを呪った。彼女には若い漁師の恋人がいたが、金持ちの男に見初められ、結婚する。しかし彼女の幸せは長くは続かず、ほどなく夫は若くして死ぬ。幼い息子を抱え、気丈に旧家を切り盛りする彼女だったが、自らの欲望に負け若い使用人との間に過ちを犯し、妊娠してしまう。老齢にいたった彼女は、海神の祭の喧騒の中、すっかり成功した初恋の人の姿を発見する。船を燃やす儀式の炎を見ながら、彼女は宿命に弄ばれた自分の人生を思い返すのだった。

(加藤)

 

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