第5章
情報システムの活用による総合窓口の在り方と課題の抽出
5-1 情報システムの活用による総合窓口の在り方
総合窓口の情報システムを構築する際には、稼働後に発生するであろうさまざまな課題を事前に想定した上で、情報システムで解決するべきものとそうでないものに分類することが必要である。この節では、情報システムにより解決すべき主な事項を提示し、情報システムに求められる機能を述べることとする。情報システムにより解決すべき主な事項として、ここでは、「事務処理機能(入力、審査、交付機能の軽減)」、「各種データのチェック、自動更新機能」、「コンピュータ処理集中時の対応」について論じることとする。
● 事務処理の軽減機能(入力、審査、交付機能の軽減)
情報システムを導入する目的の一つとして、第2章の「2-1-3総合窓口の目的」においても述べているが、「事務の効率化、低コスト化」が挙げられる。地方公共団体における窓口事務は、基本的に図表5-1のような流れにより一般的に処理される。
地方公共団体が行う事務は比較的反復処理が多く、情報システム導入以前は職員がマニュアルで(手作業で)行うという形態であった。しかし、そのような事務はコンピュータが処理を行うことによって、事務の効率性を高めるという効果が得られる。そのような観点から、行政の情報化が重要視され、地方公共団体における個別の業務の情報システム化は進展した。しかし、この情報システム化は個別の業務が閉じた形で行われており、個別の業務の総合化(つまり、総合窓口の情報システム化)を進め、各個別の情報システム間の有機的な連携が図られるべきであると考える。