これまでの情報化の取り組み状況を見てみると、購買部分については定型業務が多いため早くから情報化が行われてきたが、調達部分まで広げて考えると非定型業務が多いために情報化が充分に行われていない。
しかし、製造保守などの情報化を進めていくうちに、文書マニュアル以外にも図面などの関連するデータの電子的な取得が求められるようになってきた。そのため、調達はこれまでのように物資を流すという役割から、電子化された情報の取得という重要な役割が付加された。製品のライフサイクルコストの削減や効率化のための重要な役割を担うようになってきたのである。
調達の効率化と関連資料の電子的な納入には以下の効果があると見込まれている。
●情報の取得経費の削減
●調達プロセスの効率化
●運用・保守コストの削減
●運用・保守の効率化、高度化
こうした背景から調達の見直しが行われておりCALSの取り組みにつながってきた。米国では調達分野を政府効率化のかなめと捉えて調達改革の取り組みが数年にわたり行われている。
2-1-2 行政機関における調達の特徴
行政機関における調達が民間企業の調達と大きく異なる点は、公平性や透明性の確保が求められていること、効率化の目的が費用削減と有効利用にあること、調達規模が大きくその内容も多岐にわたること、などである。
民間企業における調達では、グループ企業や関連企業から調達する場合も多く、また経営戦略的な観点から調達先を選定することが可能である。しかし、政府調達は税金等による国家予算を扱う性質上、供給先の選定には公平性が求められ、またその品質は保証される必要がある。そしてその調達業務のプロセスは透明にし、国民に公開すべきものである。
つまり、行政機関と民間企業双方とも、調達により必要量の物資を必要な時に手に入れるという調達の直接的な目的は同じだが、その効率化という観点での目的は異なっている。