としての意識を高めていく。
中学校PTA研修会では,父母・教職員約90名が参加し,外国人講師5名―ブラジル・モロッコ・ガーナ・アメリカ・中国―がその国の言語であいさつしたり,自分の国の国旗を見せて,どこの国の人か当てさせたりするゲーム方式でなごやかに始めたさその後各外国人講師一人ひとりを10〜20人の参加者が囲んで,それぞれ分科会を行った。講師はあらかじめ依頼しておいたそれぞれの国のビデオ・民族衣装・楽器・写真・パンフレットなどを使って身近な話題や文化・教育など楽しく語り,質問を受けながら進めた。生徒の国際交流行事を後日に控え,先にPTAが実施したのは,大きな意味があった。
小学校国際交流行事では,日本の昔のあそびやゲーム・給食など児童主体の行事であったが,町の国際交流協会が協力して推進していた。他の団体とのつながりが次のステップにまたつながるのである。
■ コーディネーターとして
『生涯学習社会をめざして』といわれているものの,学校側から社会教育へのアプローチはほとんどないといってよい。やはり,フットワークの強い社会教育の側から学校へ啓蒙していかなければならない。それが,この支援事業つまり出前講座といえる。青少年の国際交流事業を通した学社融合の実践例となる。
依頼先から内容の相談,企画・運営の方法の相談などに対して指導・助言する姿はプロデューサー・プロモーター・プランナー・プログラマーである。これは,学校やPTAや公民館など主催者の意図を理解し,しかも,外国人講師をよく知っていることによって,いいプログラムをつくる指導・助言ができるのである。平常からネットワークづくりや情報の収集と蓄積,自己研修によって幅広い視野が得られる。
外国人講師の数や国名や役職など派遣に伴う調整やプログラムへの適性などの苦労も多い。また,予算関係についての処理も調整しなければならない。そういう意味においてコーディネーター的な役割を演じているといってよい。コーディネーターは要求する側と提供する側の仲介役であり,いずれの側にもメリットがあるかどうか判断する必要がある。
■ むすびに
いろいろなノウハウや手を尽くして実施しているが,一人ひとりの個の確立をめざし,教育の存在を潜ませておいて,おもしろいと感じ,ためになると受けとめ,もう一度参加したいというようなプログラムを試行錯誤している。「国際化」というと美化されやすいが,その追い風を受けて教育の世界にも「国際化」が浸透してきている。しかし,アジアにおける日本がどのように国際的視野を広げ,日本人としてのアイデンティティを持ち,国際交流を進めていくかが問われているのである。その基礎になるのが教育である。教育は本来,地味なもの,時間がかかるもの,粘り強く継続するものであろう。