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表??-5から肯定的イメージの「病気のひとつで治療法も段々分かってきている」、中立的イメージの「具合の良いときも、悪いときもある不安的な病気」、については、「はい」と答えたものに、建前、本音の知識の度合いが高い。

また否定的イメージの「治療の難しい進行性の病気」、「精神分裂病」とあるように人格が分裂する病気については、「いいえ」と答えたものに、建前、本音知識がやや高い場合がある。また、肯定、中立、否定イメージの3群で、建前、本音知識の程度を見ると、建前知識については肯定群が他の2群よりも高く、本音知識については肯定、中立、否定の順に高かった(いずれもp<0.01)。

以上より、精神障害者の社会的危険性について正確な知識を得ている方が、肯定的なイメージに結びつくことが分かった。また、特にその知識を信じる度合いが、肯定、中立、否定の順序を持ったイメージの区別の上で重要であることが示唆された。

 

4) 家族、社会的な背景との関連

 

次に、回答者の家族、社会的な背景と精神分裂病へのイメージの相関を見た(K2検定)。

 

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表??-6から中立的なイメージの中に、既婚者、専門技術職、主婦がやや多く、労務・技能職がやや少ないことがわかる。肯定的なイメージと結びつく変数はない。否定的なイメージに対しては、未婚の子どもとの同居がやや多く、夫婦だけの世帯はやや少ない。

判断保留者の中に、農林漁業、主婦がやや多く、管理職、専門技術職、短大以上の学歴者が少ない。生活状態との関連はない。

家族、社会的な背景は精神分裂病へのイメージに弱い(p<0.05)水準での関係しか持たないが、その中では、既婚、主婦、専門技術者といった、やや安定した立場の者が中立的なイメージを持っていた。また管理職、専門技術職、高度学歴者は判断を保留せず、何ら

 

 

 

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