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2) 精神分裂病の原因について

 

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脳神経の障害、体質や遺伝、神経質な性格、大切な人との別れや死、人間関係のつまづき、競争社会のゆがみ、幼児期の育て方の問題、小児期のウイルス感染、アレルギー、薬物やアルコールの乱用等は、精神分裂病の原因として考えられているものである。これらについて精神分裂病の原因としてどの影響が強いと思うかたずねた。(表?-2)

これは、「しろうと理論」といって精神分裂病に対する偏見の原因が、誤解(知識の誤り)によるという仮説を検証する目的でもうけられた問である。

最も多かったのが「人間関係のつまずき」で69.6%で他に比べ顕著に高くなっている。次に高いのが「神経質な性格」で49.6%、すこし差があり「脳神経の障害」、「競争社会のゆがみ」が各々3割強。「体質や遺伝」、「幼児期の育て方の問題」が各々2割強。「薬物やアルコールの乱用」が約2割。「小児期のウイルス感染」と「アレルギー」は、少なくなっている。「人間関係のつまづき」、「競争社会のゆがみ」など環境的要因の影響が強いのではないかと思っている人が多いのが特徴的である。

年代別で見ていくと「神経質な性格」、「人間関係のつまづき」、「競争社会のゆがみ」、「幼児期の育て方の問題」は年代が下がるにつれ高くなっている。「大切な人との別れや死」もまた20・30代で高くなっており、若年層ほど分裂病の原因として環境的要因の影響が強いと考えている傾向がわかる。社会生活に追われている若年層は、多少なりとも共感的なところがあると言えるのかもしれない。

一方、「脳神経の障害」、「体質や遺伝」、「薬物やアルコールの乱用」は、年代が上がるにつれ高くなっており、内因的な影響が強いと感じているようだ。

 

 

 

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