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全家運事業活動報告

 

(財)全国精神障害者家族会連合会

常務理事 長山 春一

 

<らい予防法廃止、優生保護法改正>

厳格な隔離収容策を戦後50年にもわたって続けてきた「らい予防法」が昨年4月1日をもって廃止されました。原因が特定され治療法が確立されたことで完治する病気であることが戦後すぐに明らかになったにも関わらず、国は世界的な潮流に逆行する政策を続けてきました。ハンセン病患者団体の長年にわたる活発な活動が、根拠を失った不当な人権抑圧の法律を廃止に追い込んだのです。

また、5月には優生保護法も母体保護法に改正されました。この優生保護法は、障害者への断種手術を規定した法律で、ナチスドイツの断種法を参考にしてつくられた差別偏見の法律でした。過去に何度か改正論議が巻き起こりましたが、人工中絶をめぐって賛否が分かれ、これまで改正に至らなかったのです。この優生保護法改正のきっかけになったのが全家連が'95(平7)年に提出した要望書です。宗教団体などの人工中絶反対派や女性の権利擁護団体などの賛成派などから、今回の改正に対してさまざまな意見が出されましたが、差別的な部分のみ改正するという方針で、各団体の了承を得られたのです。このように、すでに根拠を失った法律や差別的な内容を含む法律などが、改正されるようになっており、欠格条項の見直しなどについても、見直しをはかる環境が整いつつあります。

 

<ハートピアきつれ川開業>

ハートピアきつれ川がいよいよ完成し、'96(平8)年6月28日からオープンしました。入所・通所授産施設と温泉ホテルを兼ねた施設は世界でも類のない画期的な施設です。精神障害者の働く場として、労働省職業能力開発援助事業も実施しています。寄附金をお願いにいくと「精神障害者が働くホテルに泊まる客はいない」などという暴言もありました。このような偏見があるからこそ、この施設には大きな意義があります。全国の家族で作り上げた豪華で素晴らしい施設です。宿泊するだけで、この施設への協力になります。宣伝だけでも立派な協力です。ぜひ皆さん、協力してください。この施設を紹介するビデオ「自立への挑戦〜ハートピアきつれ川」が完成しました。都道府県連に贈呈しましたので問い合わせてください。また、全家達でも販売しております。

 

<手帳制度の充実と取得者の拡大>

また、一昨年創設された精神保健福祉手帳は、現在に至っても手帳取得者が7万人強であり、潜在数からすると普及が遅れています。地方自治体で実施する福祉サービスは徐々

 

 

 

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