?サービスの向上・情報化の推進
今後、神戸港が国際港間競争の中で生き残っていくためには、港に対する荷主や船社等港湾を利用する者のニーズを的確に把握し、他の港よりもよいサービスを提供できるような港にしていくことが重要である。
そのため、一つには、今や世界のハブ港の主流となっている港の24時間・365日フルオープンを確立し、入出港手続だけでなく通関や検疫といった官公庁の体制も含めて、いつ何時でもユーザーに対応できる体制づくりを進めることが重要である。その上で、トランシップ貨物に対する荷役料金の割引等優遇措置を講じることが効果的である。
もう一つは、官庁の縦割行政の弊害ともいえる入出港手続の複雑さと港湾における情報化の立ち遅れを改善することである。
国においても次期シーナックスの体制づくりが進められており、神戸港においても入出港届のファックスによる受付等が実施されているところであるが、世界の主要港と比べると取り組みが遅れており、今後、入出港手続のEDI化等による情報化の推進によりワンストップサービス、手続の簡素化に取り組んでいく必要がある。
また、現在、神戸港において「神戸港国際流通センター」(1999年2月完成予定)が建設中であるが、今後はこのような施設を活用して、従来の荷役、荷捌きだけでなく流通加工、商品展示、情報システム等の機能を併せ持つ総合輸入ターミナルを活用して新たな物流システムを提案し、荷主に対し積極的にアプローチし、貨物獲得に向けて努力することも重要である。
さらに、今後需要増が見込まれる中国内陸部等の地域から出る貨物をにらんだシー・アンド・エアーにも対応し新規貨物獲得に向けて取り組んでいくことも必要である。