は し が き
本報告書は、競艇公益資金による日本財団の平成9年度補助事業として実施した「離島航路の維持・振興等に関する調査研究」事業の成果をとりまとめたものである。
離島航路は、離島や陸上公共交通機関断絶地区における住民及び生活必需物資の輸送等にとって、必要不可欠な交通手段となっているが、その経営基盤は脆弱な航路が多い。
近畿運輸局管内においても、離島航路整備法による離島航路の指定を受けた一般旅客定期航路をはじめ、複数の離島航路が開設されているが、利用人口の減少などから厳しい収支状況が続いている。
一方、近年の厳しい財政状況から、国等の補助金については可能な限り抑制することが求められており、離島航路整備費補助についても、事業者の経営改善努力を促すよう、平成6年度及び8年度に制度改正がなされている。
本調査研究は、このような状況に鑑み、近畿運輸局管内の「舞鶴航路」と「沖島航路」について、航路の利用促進及び経営効率化方策並びに航路のあり方や支援方策等について検討するために、離島航路依存住民に対するアンケートや関係機関へのヒアリング及び四国、九州地域の離島航路の現地調査等の結果を中心に委員会及び小委員会での検討結果を取りまとめたものである。
この報告書を舞鶴市・京都府及び近江八幡市・滋賀県の離島航路の維持・振興計画の策定と推進のためにぜひともご活用いただけるよう希望する。
最後に、本調査研究にご協力賜った調査研究委員会委員長 大阪学院大学教授 國領英雄氏をはじめ委員の方々、並びにアンケート・ヒアリング調査にご協力いただいた関係者の方々に厚くお礼申し上げる。
平成10年3月
財団法人 関西交通経済研究センター
会長 小林 庄一郎
