?観光地イメージから
1)分析の方法
観光客に対するアンケート調査結果を用いて、観光地のイメージ分析を行った。イメージ分析は、因子分析及びクラスター分析の2つの手法を用いて行っているが、その具体的な方法を以下に示す。
?因子分析の方法
分析対象地域
アンケート調査の観光地のイメージに関する設問に対して、概ね10以上の回答があった21の観光地を分析対象とした。
因子分析の方法
アンケート調査の中の9つのイメージに関する回答について、観光地毎の平均点をデータとし、主因子法により分析を行った。また、共通性の算定にはSMC法を用いた。また、因子軸の抽出は、バリマックス法により行い、バリマックス回転後の各因子軸に対する各観光地の因子得点を推定した。なお、ここで抽出した因子軸は3因子である。
○クラスター分析の方法
1)の因子分析により得られたバリマックス回転後の因子得点を用いて、ユークリッド平均距離を用いたウォード法により、クラスター分析を行った。
なお、分析対象地域は因子分析と同様の21地域である。
2)分析結果
○因子分析の結果
分析対象とした観光地と平均点
次頁の表にアンケート調査結果から集計した観光地イメージに関する平均点を示す。
ここで、ハッチを掛けた観光地が分析対象とした観光地である。
抽出した因子軸(バリマックス回転後)とその意味
・ 下表にバリマックス回転後の因子軸の因子負荷量および因子得点を示す。
・ 「因子負荷量」は、各形容詞と各因子の関係の大きさを示す。つまり、因子負荷量の絶対値が大きいほど関係が深いといえる。(ここでは負荷量が0.6を超えるものにハッチを掛けている。)
・ 「共通性」は、抽出した3つの因子により各形容詞のどれだけの部分が説明されるかを示す。つまり、共通性が大きい(1.0に近い)ほどその形容詞が3つの因子で説明される割合が高いといえる。
・ 「寄与率」は各因子が9つの形容詞のどれだけの部分を説明しているかを示す。例えば、因子1で9つの形容詞の約32%が説明できることとなる。また、「累積寄与率」は各因子の寄与率の和であり、ここでは3つの因子により9つの形容詞の約73%が説明されているといえる。
・ 「因子得点」は、各観光地が各軸に対してどちらの意味を持っているかを示す。