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2 プリンタ等による紙媒体への出力

 

防災関係資料は,現段階では紙媒体(印刷物や刊行物など)としての配布方法が一般的である。作成したデータの印刷の手段は,レーザープリンタ,ドットプリンタ,昇華型プリンター,インクジェットプリンタ,熱転写型プリンタなど多数の種類があり,用途に応じてカラー出力も可能になっている。そのため,印字するデータの性質により機器を選択する必要がある。

また,これらのプリンタは,印字品質,コストパフォーマンスなどの点でもばらつきがある。

 

3 データの配布・発信-データの発信(共有化)過程

 

(1)様々なデータの配付方法

 

書類の元となるデジタル化文書が作成され,これらのデータを配布可能な形状に整える段階では,プリンターから出力し,レイアウトした版下(原稿)やワープロ化文書を収めたフロッピーそのものを印刷業者に渡し,印刷・製本を委託する方法,フロッピーやCD-ROM等にデータをコピーして収めて,配付する方法,インターネットを通じて開設したホームページ上にデータを展開し,アクセスしてきた一般のインターネットユーザに配布するなどの方法がとられる。

このとき,どのような環境においてもデータを閲覧できるように変換しなければならないが,この手法についても,出版物・印刷物の業界などで使われ始めているPDFファイル形式によって出力する手法が有力な手段となりうる。

PDFについては,2.2で既に説明されているが,作成された書類を環境を選ばずに閲覧することができ,テキスト(文字)データとしてPDF上で作成されてさえいれば,コピーして,テキストファイルに張り付けることもできる。また,PDFファイルはそのままでインターネット上に展開することもできるので,従来のような膨大なデータ作成の作業から解放される。

 

(2)ネットワーク環境の整備・活用

 

データの配付・発信のためのデータ作成作業は単体のパソコンでも行えるが,グループ作業を行おうとしたり,作成した書類を他のパソコンなどに移したいときは,従来は,フロッピーディスクやMOディスクなどの補助記憶装置に一旦保管して持ち運び,移し替える方法が取られていた。この方法は簡単で確実な方法ではあるが,扱えるデータ量が補助記憶装置等の容量によって制約を受けたり,データの持ち運び,移し替えの手間が避けられないなどの問題がある。

このように,データを配付・発信し,共有したい場合,あらかじめ複数のパソコン同士をネットワークによって結びつけることにより,簡単にデータを移動・複写させることができる。また,ネットワーク上のサーバと呼ばれる中心地に書類を保存しておけばいつでも参照できるようになる。

 

(3)ネットワークコンピューティングの活用

 

このように,ネットワーク環境を構築しておくと,今後普及が予想されるネットワークコンピュータ(NC)を利用できる。NCはネットワーク上での使用を前提に設計されるコンピュータであり,サーバ機に組み込んだソフトや周辺機器類が,ネットワーク上の複数のパソコン端末で共用できるというメリットがあり,将来的なダウンサイジングの方向として注目を集めつつある。

 

 

 

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