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3. ボランティアのタイプと受け入れ体制

本震災でのボランティアの目覚ましい活躍ぶりに、「ボランティア元年」という言葉まで生まれ、各自治体が策定する地域防災計画には、必ずといって良いほど「ボランティアの受け入れについて」という項目が加わるようになりました。

阪神・淡路大震災の状況を見ると、大規模な災害が起こった時には、ボランティアの力に頼らざるを得ない部分が必ず出てくるという認識を、行政が初めて持ったのです。

阪神・淡路大震災時に被災地が受け入れたボランティアは、大きく分けて次に示す4つのタイプがあります。

? 遠隔地駆け付け形ボランティア

? 被災地周辺地域からの応援型ボランティア

? 被災者型ボランティア

? 業務型ボランティア

 

?遠隔地駆け付け型ボランティアの特徴: テレビに映し出される阪神・淡路大震災の被害状況を見て、「被災地に行って何かしなければいけない」という思いに駆られ、全国から集まったボランティアです。

最も早い時期に被災地に入り、活動期間は比較的短期、自由な時間を持つことの可能な人たちです。自営業、学生、プー太郎と言われるようなアルバイターなど、年齢も比較的若い層が中心でした。

?被災地周辺地域からの応援型ボランティアの特徴: 京都、奈良、滋賀など、被災地に比較的近い地域から駆け付けたボランティアで、自分たちも震災で震度4〜5の揺れを体験しており、震災から1週間程度は自分自身の対策に目が向いています。それが一段落したところで、もっと悲惨な被害を受けた人たちが、すぐ近くにいたことにハッと気づきます。そこから先は第1のタイプと同じですが、比較的被災地に近いため、第1のタイプ(遠隔地駆け付け型)よりは長期間にわたってボランティアを続けた人が多いようです。

?被災者型ボランティアの特徴: 被災者自身が行うボランティア活動で、震災から2年近くを経た今現在、ボランティア活動を継続している人たちの多くは、このタイプです。

自分自身が大きな被害を受けているので、ボランティア活動を本格的に開始するまでには数ケ月程度の時間がかかっていますが、活動開始後は息長く地道にボランティアを続けています。被災地の復興に向け、人々の生活の再建と地域の復興に必

 

 

 

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