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活発な議論に期待する

岡崎研究所所長

岡崎久彦

 

本日は公海の自由航行プロジェクトの一年間の総括のセミナーとなりました。国際経済政策調査会が主催するこのプロジェクトを、当研究所も協力団体として全面的にご支援して参りましたが、97年5月の第1回研究会から、今月12日の第7回研究会まで、専門家の皆さんとともに、非常に熱心に勉強できたことは幸いでありました。

 

シーレインの問題については、米国にまとまったものがあればそれから学ぼうと思いましたが、あまり勉強はしていないようで、この研究会が世界のトップクラスになる潜在的可能性を秘めていることが、わかって参りました。とくにアジアの海洋国家は小さい国が多いですから、公海の自由航行の問題は日本が考えなければ誰も考えません。そういう意味からも、この研究会の役割はますます重要になると思います。

 

本日のセミナー冒頭に、この研究会で、今後とも研究し、討議していただきたい課題を申し上げたいと思います。わたしは、ここでは課題だけを申し上げ、結論は申し上げません。結論は皆さんとともに多いに議論したいと思うのです。本日のセミナーでも、これらの課題が活発に討議されることを期待いたします。

 

まず、日本周辺のシーレインですが、これは、鈴木善幸首相が1981年の訪米時に言った発言が基礎です。鈴木首相はこのとき、南東航路、南西航路、周辺1000海哩は日本が防衛すると約束したのです。

 

これの実施ぶりについては、日米海軍の連絡が密であり、その後、長きにわたり、うまく機能していると思います。日本には、100機の対潜哨海機(P3C)があり、駆逐艦の数は日本が米国を凌いでおり、日米協力に関しては、米国からの不満は、現時点ではまったく聞こえて参りません。

 

ところが、鈴木首相の時代は何といってもソ連が主たる敵でした。とくに怖かったのはソ連の潜水艦と長距離爆撃機バックファイアーでした。その脅威が冷戦後には消滅したわけです。

 

そこで、今後何を変えねばならないかですが、新しい課題は、台湾海峡の緊張が起きたときどうするかです。バシー海峡までのシーレーンを日米協力でどう守るかという課題です。これは20年前にはなかった新しい課題です。

 

この場合を含めてさらに、これまで全くやってこなかったことについて、今後どうするかという問題があります。集団的自衛権の問題など、いままで考えたことのなかった問題を、日米が一緒に考えていく必要があります。日本にとって最大のクライテリアは日米同盟を如何に信頼でき、長続きできるものにするかという事に尽きます。

 

日本の石油ルートは、マラッカ、ロンボクなどが全て封鎖される最悪の場合でも、オーストラリアの南を迂回すればなんとかなると思いますが、公海の自由航行プロジェクトでも議論されたように、シーレーンは石油だけの通り道ではありません.

 

日本に一番近い南シナ海の航行の自由が脅かされることは日本の国益に重大な影響を及

 

 

 

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