1 国家は生きた組織体であり、その生命は国民、文化、政府、経済及び土地に依存する。
2 国家の性格のうち最も重要なのは力である。法は力がなければ維持できないので、国家生存のために力は法より重要である。
3 海洋に分散している帝国(イギリス)の力は、やがて統合された大陸帝国に移り、その結果大陸国家が最終的には海洋をも制するに至る。
4 ヨーロッパ、アジア、アフリカに数個の超大国が興隆する。
5 国家にとって自給自足できることは重要な条件である。そのため国家は自らの生存発展に必要な物資を支配下に入れる権利がある。
6 国家が強国となるためには次の3つの条件が必要である。
(1)領域が広いこと。
(2)移動の自由を有すること。
(3)内部の結束が堅いこと。
この理論が普墺、普仏戦争に勝ち大国となった当時のドイツの指導者に歓迎された。次いで、この理論を発展させヒトラー(Adolf Hitler)の政策を理論的に支えたのが、ミュヘン大学の地理学の教授、軍事科学部長であったカール・ハウスホーファー元陸軍少将であった。