日本財団 図書館


ア・ディナイアルの脅威には、敵の戦術・戦域弾道ミサイル、大量殺戮、空中脅威、そして海上でのディナイアル能力などがある。また、敵が地上あるいは特殊作戦戦力を用いて重要な沿岸インフラおよびそこへ至るルートを奪取・破壊することもこのような脅威の一部である。エリア・ディナイアルの脅威は益々我々の死活にかかわるものとなり、米軍の脆弱性を高めている。こうした脅威は我々を打倒することはできないまでも、我々の対応を遅れさせ、紛争を長期化し、侵略阻止のコストを高めるものとなり得る。我々は情報戦闘(information warfare)、パワー・プロジェクション、そして戦力保護能力を用いて敵のエリア・ディナイアル能力に効果的に対抗できる。これにより、統合軍事行動の早期の決定的衝撃は増大する。すなわち、敵が目的達成のためにディナイアル能力に依存すればするほど、それを粉砕するべく我々の与える衝撃は増大することになる。

 

海軍作戦は統合軍事行動を通じて継続する。海軍作戦には精密海軍砲火の提供、海軍作戦行動の遂行、沿岸での統合・連合軍保護、海上後方支援輸送パイプライン維持、制裁執行および地域的安定維持のための統合軍事行動後の現地駐留、などが含まれている。

 

我々は精密海軍砲撃により戦略的、作戦的、そして戦術的目的を達成する。精密とは的に対して望み通りの影響を及ぼすこと、こちらのダメージを限定し、我が軍のリスクを削減し、我々の戦闘能力によって最大限の衝撃を与えることを意味する。我々は攻撃、迎撃、そして砲火支援など、すべての海軍火力を、ミッション達成に必要な正確さをもって提供することができる。我々は戦闘空間で敵を攻撃するために武器の到達能力から得られる戦術的深みを生かす。精密という言葉には正確な照準ということも含まれている。これにより、我々の銃砲は最大限の衝撃を与えるべく主要な標的に照準を合わせることができ、迅速かつ正確な戦闘被害評価を行うことができる。無人飛行、海上ミッション計画策定システムなどの新たなシステムは、正確な照準の不可欠な要素である。精密という言葉には軍事必需品を非常に正確に配送するということも含まれている。我々は軍事行動の目的を迅速かつ決定的に達成するために、軍をまとめ、注力しなくてはならない。精密さは海軍特殊戦闘軍および海兵隊、そして海上砲火の利用法に必須ものなのである。都市部での作戦など、戦術的な状況によっては、消音ライフルを持ったSEALあるいは海兵隊員が最適な精密武器になることもある。

 

海軍作戦行動および指令の迅速性という密接に関連する諸概念は、沖合いで決定的な衝撃を与えるための海軍戦闘能力を定義するものである。海軍作戦行動は、敵に対する作戦・戦略的優位を獲得するための海上およびそこを起点とした作戦展開から得られる利益を利用することを意味する。我々は敵の海上ディナイアルの努力を粉砕し、海上での優勢を獲得することにより、戦略的シーレーンおよび沿岸水域での作戦を妨害から守る。我々は先に述べたように柔軟な姿勢で作戦に臨むことにより、海洋での優位を生かす。むろん、こうした姿勢は分散的ではあるが、迅速に集結することができ、常に行動し、変化し、水平線上では遠方の脅威に見え、敵が安全と感じている場に突如と攻撃を仕掛けることができる。精密海軍砲火および海兵隊戦闘力による戦闘空間を通して敵を同時に攻撃する能力は、敵が逃避不できない戦術的窮地を作り出す。敵は我々の攻撃時間と場所が分からないため、敵は軍隊を自分が推測する攻撃場所へ集結し、あるいはできるだけ多くの標的となる可能性のある場所へ軍隊を分散して防衛に当たらねばならなくなる。どちらの場合で

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION