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論文の結論は、新しい大陸棚の定義と、排他的経済水域制度の設立により、沖縄トラフのような海底地形が自然の境界線を構成するという旧来の日本の主張は、もはや論争に耐えられないであろうというのである。

また係争中の島については、面積や争われている資格、地理的な背景が検討されるべきであるとしている。これは竹島、尖閣に関する提言である。

以上を見る限り、日本側はこの論文をよく研究し反論すべきはこれを行う必要があろう。

以上は法的な検討に関する記述であるが、筆者は、地域情勢が複雑であることから、沿岸諸国は、ゴリドリの法の適用よりも、むしろ柔軟に機能を主体とするアプローチを好むのではないかと示唆している。すなわち、漁業問題や環境保護、資源開発を優先するための共同政策を各国が推進し、主権や境界線問題への背伸びは慎重に控えるのではないかとの楽観論を筆者は論文の末尾で展開している。この論の展開は唐突であり、法解釈に関する箇条書の論文の本文からは飛躍した論の展開となっている。

筆者は、各国が、賢明にも管轄権問題を棚上げし、海底鉱物資源開発などの協力協定をつくりあげるのではないかと述べている。そして、このようなアプローチこそが地域においては建設的であると論じている。この結論はその通りであるとして、論文の流れからは唐突な結論に読者はとまどいと、筆者の真意に関する疑いの念をいだかずにはおられないであろう。(了)

 

 

 

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