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韓国の安全保障と周辺諸国の海軍力

韓国海軍部第2回艦上討論会:冷戦後の米露日中海軍力と将来展望韓国海軍部(1993)

韓国海軍部(1993)

発表

イ・チェングン

延正大学大学院卒(政治学修士)

米国テキサス州立大学卒(政治学博士)

現在 (世宗研究所研究員)

 

イ・ジョンミン

延正大学大学院卒(政治学修士)

米国TUFTS大学卒業(政治学博士)

現在 世宗大学 東西問題研究所 研究員  世宗研究所研究員

 

?T.序論

第二次大戦以後40年間続いてきた冷戦体制は、1980年代末に終わりを告げた。米国とソ連は、もはやこれ以上グローバルなレベルでの対決を行わなくてもすむ状況になったのである。勿論このような状況がもたらされたのは、冷戦中にソ連が自ら崩壊してしまったことに因る。社会主義体制はもはや資本主義との競争において成功を収めることができなかった。生産力の低下は、結局体制内のすべての市民達を、総じて困窮させる結果を招いたのである。このような冷戦体制の崩壊は、第一に、今や地球上のどの国家も自分達が考える最も良い経済制度はどういうものであるのかという問題について、もうこれ以上イデオロギー争いをする必要がなくなったことを意味し、第二に、これまで続いてきた米国、ソ連を軸とする体制が崩壊したことを意味する。

このような急激な体制変化は、ヨーロッパではドイツの統一、ソ連の崩壊、東欧共産陣営の崩壊、及びNATOやフルシャワ条約機構の急速な脱軍事化現象として表れた。

ヨーロッパの軍事状況のみを見ると、少なくとも過去の冷戦時代の敵対国間に、もはや軍事力による対立が生じているようには見えない。気の早い執筆者達の中には”もう歴史は終わったのだ”と主張し、今や完璧な平和が可能な時代に突入したと楽観視する者もいた。1

ところが、いわゆる新しい国際秩序が始まった年といえる、1990年以降の世界の国際政治を見ると、脱冷戦時代の国際政治は、平和というよりはむしろ数多くの紛争に振り回されているように見えるのである。過去のイデオロギーという対立要素が、超民族主義(hyper nationalism)という要素に取って替わり、むしろ戦争の可能性をはるかに高めているのである。これまで社会主義の宗主国ソ連の統制下で安定と平和を維持してきた東ヨーロッパ内の異なる人種及び宗教的集団は、各々が独立を求めている。このような状況のモデルケースを我々はユーゴスラビア、アルメニア、アゼルバイジャン等で目のあたりにした。これからはむしろ冷戦時代を懐かしむ統制不可能な世の中になるかもしれないと評論家達が憂慮しているのは、まさにこのような状況なのである。2

世界的な次元で冷戦の緩和は、まずヨーロッパに衝撃をもたらしたが、アジアにおける影響の速度は緩やかなものにみえる。既に経済イデオロギーが対立要因としては作用しないにもかかわらず、数カ国しか残っていない社会主義国家のほとんどは東アジア地域にあるのである。例えば、中国では、改革、解放を通じて市場の社会主義という新しい概念の経

 

1 Francis Fukuyama, The End of History and the Last Man(New York: FreePress, 1992): Stephen Van Evara, 'Primed For Peace: Europe after the Cold War'International Secirity, vol. 15.no.3(Winter 1990/1991)

2 John Mearsheimer, 'Why we will soon miss the Cold War 'The At Lantic (August,1990): Zbgniew Brezezninski, Out of Control: Global Turmoil on the Eve of the 21st century (New York: Scribner's, 1993)

 

 

 

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