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あるいは横断する艦艇、航空機に対する合意に基づく緊急通信手順(1989年米ソDMA協定のようなもの)、そしてあるいは差し迫った危険と認識される極端な状況における潜水艦水中通信に関する規定まで含まれることになろう。

 

○排除/引き離し措置

永年にわたるソ連及びロシアが提案してきた戦略的に重要な日本海/オホーツク海域及びある戦略的海峡から他国の海軍の作戦を“しめだす”という目論みにもかかわらず、それら立ち入り禁止海域は、米国及びその他の海洋国からは、伝統的な海洋の自由及び海軍兵力の機動性を切り取るものと見なされ、信頼醸成としてより、むしろ争いの種であると見られてきた。

 

○人員、装備、行動についての制限

これらの制限は、適切に予測あるいは通告されず、また、特定の排除あるいは引き離し区域内で行なわれる軍事行動を禁止することを意図したものである。その欧州、中東及び南アジアでの実例では、それらの措置が殆ど例外なく地上兵力に焦点が置かれていた。そのような措置は、技術兵器管理/制限の全てのCBMsに極めて近く、そのために協議と検証が強く主張される。このような制限による措置(より広範な核フリーゾーンを除いて)は、冷戦後の世界における海上のCBMsとしては適切ないしは将来有望なものとは言えない。

 

結論

冷戦後の海上における安全保障の環境下では、多くの海軍(特にアジア太平洋地域において)が、域内での行動範囲及び能力を拡大している。海軍の兵力及び計画についての不確実性及び危険を削減するため、海上のCBMs、特に情報の多様性、透明性に対する措置の優先順位は高い。そのようなCBMsがまだ大部分未開発の地域では特にそうである。海軍兵力の潜在的に危険な遭遇を訴え、そして通常の手続き及び会議の制定を通じての新しい地域/サブ地域的な海洋の挑戦を訴えるために、選ばれた2国間INCSEA協定及びサブ地域的多国間INCSEA/「海上における安全」協定もまた優先されるべきである。CSCAP海洋協力作業グループは、この分野におけるASEAN地域フォーラムへの提言をいかに準備すべきかを確認するためのフォーラムとして適当であろう。

 

 

 

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